徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)01月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1374 1面
徳洲会脊椎部会が12月3日、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)で初会合を開いた。同部会は整形外科専門医を目指す初期研修医や、脊椎手術に関心のある医師を対象に、知見・情報を共有しグループ全体の診療レベル向上を目的に発足。初会合には東上震一理事長も駆け付け、発展に向けエールを送った。部会長は同院の江原宗平・特任院長兼脊椎センター・脊柱側彎症センター長。現地会場とオンラインのハイブリッド形式で催し、約20人が参加した。
脊柱側彎症に対するロボット脊椎手術について講演した部会長の江原・特任院長
当日は脊椎部会に先立ち、江原・特任院長が発起人となり設立した「ハイブリッド手術室脊椎手術研究会」の第3回年次学術集会を開催(事務局は大阪警察病院)。江原・特任院長の開会挨拶に続き、東京慈恵会医科大学や信州大学、東京医科大学など会員組織から一般演題8題の発表があり、江原・特任院長自身も「ハイブリッド脊椎手術室とロボット椎骨スクリュー挿入-2603本挿入-脊柱側彎症手術-前方後方において」をテーマに講演した。
江原・特任院長は脊椎手術のなかでも難易度が高い脊柱側彎症治療に注力しており、2012年に世界初の脊椎ハイブリッド手術を開始(これまでに2万9,000本以上挿入)、そのベースの上に21年4月に日本初の脊椎ロボットを導入。これは、椎骨スクリュー(ネジ)を背骨に挿入する際のガイドホール作成を支援するロボットで、従来以上に高精度で安全な手術に寄与する。この装置を用いて挿入したスクリューが早くも2,500本の大台を突破。現在は2,900本を超え、世界最多だ。これらの経験をもとに、脊椎ロボットの機能性や手術症例などを紹介した。また特別講演として菅野伸彦・大阪大学医学系研究科運動器医工学治療学寄附講座教授が登壇し、「整形外科におけるロボティック手術」をテーマに発表した。
東上理事長(右から4人目)が駆け付け初会合
脊椎部会では東上理事長が冒頭、「さまざまな分野でロボット手術や低侵襲手術が広がるなど医療技術はどんどん進歩しています。ぜひ皆さんで力を合わせ、患者さんのために、部会を大きく発展させてください」と激励した。この後、江原・特任院長が脊柱側彎症に対するロボット脊椎手術に関し講演を行い、豊富な症例画像などを供覧しながら、手術の流れや導入している医療機器などについて詳細に説明した。
江原・特任院長は「脊椎手術に取り組む先生方と横の連携を強め、情報交換など行いながら徳洲会グループの脊椎手術の発展に寄与していきたい」と意気込みを示した。次回は5月の日本整形外科学会学術総会に合わせ横浜で開催予定。