徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)01月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1373 1面

徳洲会グループの国際医療協力プロジェクト
モンゴルに「徳洲会心臓血管センター」建設でMOU締結
東上理事長らがフレルスフ大統領と会談

医療法人徳洲会(医徳)の東上震一理事長(一般社団法人徳洲会理事長兼務)ら徳洲会一行は昨年12月26日から5日間、モンゴルの首都ウランバートルを訪問し、ウイルストゥグルドゥル大統領官房副長官と「徳洲会心臓血管センター」設立に関するMOU(了解覚書)を締結、その後、フレルスフ大統領との会談を行った。現地では3公的病院や関係機関を視察し、同国の医療事情などの把握に努めた。1月22日には同国の医療従従事者らが来日、全国の徳洲会グループ病院を視察する。

MOUへの署名を終え記念撮影を行う徳洲会とモンゴル関係者(左から4人目が東上理事長、その右がウイルストゥグルドゥル大統領官房副長官)

モンゴルに対する徳洲会の医療協力は20年ほど前にさかのぼる。当時、徳洲会の徳田虎雄理事長(現・名誉理事長)が同国の大統領に医療協力を約束した。その後、複数の病院に透析機器を寄贈。2016年には湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の小林修三副院長(現・院長、医徳常務理事)が国立第一中央病院で透析指導を行った。

政府宮殿内にあるゲル(モンゴルの伝統住居)をイメージした貴賓室でフレルスフ大統領と会談。大統領はモンゴルの正装である帽子をかぶっている

東上理事長は徳田・名誉理事長の意志を引き継ぎ、22年8月に同国を訪問、4公的病院を視察した。12月1日には日本・モンゴル修好50周年で来日したフレルスフ大統領と会談、医療支援の要請を受けていた。

今回、訪問した徳洲会一行は東上理事長、小林・常務理事、一般社団法人徳洲会(社徳)の石川一郎本部長、広報部の上田昇部長(小紙編集長)、小松原史仁次長(副編集長)の5人。

「徳洲会心臓血管センター」を開設する国立第三中央病院。12月は最低気温がマイナス30℃近くになる日も

27日は、まず国立第三中央病院(445床)を訪れ、トゥムロ院長やバトゲレル副院長、モンクサイハン大統領補佐官(元・保健相)、バヤルサイハン首相顧問らと面談。同院の役割や同国の医療事情などについてプレゼンを受けた。このなかで、同院は主に心臓血管治療や循環器治療を多く手がけていること、モンゴルでは近年、小児の心疾患が増加傾向にあること、循環器疾患の診断・治療で外国に行くケースが少なくないことなどが示された。

こうした状況下、同院は同国初となる心臓血管センター開設を計画していることを提示。ただし、資金調達や医療技術面など課題もあることから、徳洲会に支援を求めた。この日は国際協力機構(JICA)モンゴル事務所、日本の支援で開設したモンゴル日本病院も訪問、現状や課題を聞いた。

地元メディアの取材を受ける東上理事長(右)と小林・常務理事

28日は国立第一中央病院を視察。以前、同院に寄贈した透析機器の確認などを行った。同院でもスタッフがプレゼンを実施。16年に小林・常務理事が指導した腎臓内科の女性医師が登壇したことから、小林・常務理事は「継続して取り組んでいるのがわかり、うれしい」と目を細めていた。その後、保健相を表敬訪問。また、健康保険庁、医薬品・医療材料管理調整庁の各庁長とも面談、関連する制度を確認した。

モンゴルの医療現場を数多く視察。スタッフと会話し状況や課題を把握

29日は政府宮殿で、東上理事長とウイルストゥグルドゥル大統領官房副長官がMOUを締結した。主な内容は①国立第三中央病院に「徳洲会心臓血管センター」開設と設備の提供、②開設にあたり、最大60億円まで徳洲会が資金調達を支援、③徳洲会と同国の医療従事者の交流を図り、診断・治療分野で研修──の3点。

訪問先で徳洲会紹介動画(モンゴル語版)を視聴し終わった瞬間、拍手が起こる場面も

モンゴル日本病院。院内の雰囲気もどこか日本の病院のよう

MOU締結式後には、フレルスフ大統領を表敬訪問。大統領は徳洲会の支援に謝意を表した。東上理事長は「これまで徳洲会とモンゴルは医療支援を通じた長い友好の歴史があります。『徳洲会心臓血管センター』の開設をサポートするだけでなく、同センターを中心に医療分野の方々と交流し、モンゴルの医療発展に貢献していきたい。大統領が掲げられている“健康なモンゴル人運動”という政策に協力でき、誇りに思うと同時に大変うれしく感じています」と感慨深げに語っていた。

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