徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)12月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1369 1面

徳洲会の原点に建つ徳之島徳洲会病院
新築移転オープンへ地鎮祭を挙行
2025年6月開院予定

徳之島徳洲会病院(鹿児島県)は12月11日、新築移転工事の地鎮祭を開いた。徳洲会グループ第1号の離島病院として1986年に開設した同院は、徳洲会の原点である徳之島で長年、島民の方々に寄り添う医療を実践。施主の医療法人徳洲会の東上震一理事長や徳田虎雄・名誉理事長代理の徳田毅・株式会社徳洲会社長、同院の新納直久院長、奄美群島の徳洲会病院院長ら徳洲会関係者、地元の行政や地域、県議会、町議会、設計・施工会社など関係者が列席し、工事の無事を祈願した。2025年6月に新病院で診療を開始予定。

ヘルシー・リゾート・アイランド目指す

新病院の完成予想図

徳之島徳洲会病院は1986年10月に開設。病床数は一般120床、回復期リハビリテーション37床、医療療養42床の計199床を擁する。老朽化が進んでいたこともあり地域医療の維持と充実を目的に、現病院から直線で約1.5㎞離れた徳田虎雄顕彰記念館近くに新築移転する。

新病院は地上6階建てで、敷地面積は約3万2999㎡、建築面積は約6327㎡、延べ床面積は約1万8058㎡。駐車場430台分を確保し、患者さんの利便性向上につなげる。1階に外来、救急、放射線、2階に循環器内科や手術室、居宅・訪問介護、通所リハビリ、3~5階に病棟を配置する。1階は吹き抜けのある空間で、待合として機能するだけでなく、ホールとしての役割ももつ“結い”の広場ができるほか、6階には展望レストランも設けるなど、患者さんだけでなく、誰もが集えるようにする。竣工は2025年4月で、開院は同6月の予定。

「新たな貢献をしていきます」と東上理事長

「徳洲会の理念の原点は徳之島に」と徳田社長

「素晴らしい病院になることに期待」と禧久議員

「島内完結型の医療ができるように」と高岡・徳之島町長

「行政も一体となって支えます」と大久保・伊仙町長

「安心して暮らせる基盤ができます」と森田・天城町長

地鎮の儀を執り行う東上理事長

新病院のコンセプトは「ヘルシー・リゾート・アイランド 原点回帰から世界へ」。徳田・名誉理事長の故郷である徳之島で、島民の方々に一層寄り添う病院に「原点回帰」するとともに、次世代の医療も目指す。敷地の高低差を利用し、1階と2階からのダブルアプローチができるのも大きな特徴だ。救急患者さんのスムーズな搬送につなげ、救急から在宅までのトータルヘルスケアをよりスムーズに行う。

地鎮祭後に徳洲会関係者が記念撮影

また、建物はラウンドシェイプ(曲線デザイン)で、台風など強風を効率良く避け、日射や塩害などにも強い。新型コロナなど感染症や高度急性期医療にも十分対応可能な構造となる。これまで島外搬送・療養が必要だったケースも大幅な改善が見込める。

誰もが食事を楽しめる展望レストラン

さらに、海と山の双方の眺望が楽しめる。小高い丘の上に建つことから島の全方位から見え、島のランドマークになることも期待されている。

21年には「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録されたため、来島者の増加も見込まれており、新病院に隣接してメディカルツーリズム(医療観光)用の宿泊施設や医療系学校なども建築する予定。これにより徳之島の「NEXT STAGE」を世界へ発信する一大拠点にしていく。

島内完結型の医療実現へ

神事後、東上理事長は「新築移転する土地は徳田・名誉理事長の実家が所有していましたが、名誉理事長が大学進学のために手放したと聞いています。来年、徳洲会は50周年を迎えることもあり、このタイミングで、この土地で地鎮祭を行えることは本当にありがたいことです」と謝意を表した。

また、36年前に徳田・名誉理事長が徳之島に病院をつくったことに触れ「お金も何もないなかで、名誉理事長がひとりで始められた社会運動をしっかりと受け継いでいきたい。日本で一番大きい民間医療法人になった今だからこそ、新築移転することで中身をさらに充実させ、島民の方の生活や福祉を守るとともに新たな貢献も行ってまいります」と意気込みを示した。

徳田社長は現病院の地鎮祭を行った当時、中学生だったと振り返り、「その際、初めて父の涙を見ました。それが父の涙を見た最後でした。それくらい感慨深かったのだと思います。“生命だけは平等だ”の理念の原点が徳之島、そして徳之島徳洲会病院にあります。新しい病院を通じ島の方々に貢献ができることを、父も喜んでいます」と熱い口調で語った。

来賓の鹿児島県議会の禧久伸一郎議員は「これからも徳洲会が日本の厚生労働省たらんという気概をもって、素晴らしい病院をつくり続けてほしい」と挨拶。高岡秀規・徳之島町長は「新病院により、島内完結型医療が実現できるよう願っています」と期待感を表した。

大久保明・伊仙町長は医師として徳之島徳洲会病院に勤めていたことを思い起こすとともに、「徳洲会の原点である徳之島で新築移転することに大きな意義があります。多くの医療者に来島していただけるよう、行政も一体となります」と力を込めた。森田弘光・天城町長は「新病院によって、徳之島で安心して暮らせる基盤が整います。一日も早く完成することを心待ちにしています」と語気を強めた。

急性期から在宅まで支える 新納直久院長

新病院には地域包括ケア病棟を開設し、がん終末期や、在宅でご家族が支えられなくなった患者さんなどを受け入れることができます。また、HCU(高度治療室)も設置し、循環器術後ケアなどにも力を入れます。

新病院は急性期から在宅まで支える病院に大きく変化します。当院が担う役割も増え、さまざまな状態の患者さんを診ることになります。このため医師やコメディカルの技術向上も大切。現在、当院では本土の病院で研鑽を積んだスタッフが、そこで得た技術を島民の方々に還元しています。新病院では、この動きを加速させ、離島で提供できる医療の可能性を高めると同時に、確かな技術をもつ医療人材の輩出にも努めます。

新病院は徳之島のシンボルとして、徳洲会の原点の地にある病院として、皆様の期待に応えるようスタッフ全員で頑張ります。

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