徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)12月05日 月曜日 徳洲新聞 NO.1367 1面

超音波検査室の精度認定を取得
静岡病院
質高い業務で地域医療に貢献

静岡徳洲会病院は日本超音波検査学会が制定する「超音波検査室の精度認定制度」で、腹部、心臓、血管、体表、健診の5領域すべてに関しA評価判定を受け、精度認定を取得した。今年度スタートの新しい制度で、認定施設は全国53施設にとどまる。静岡県では県立静岡がんセンターと同院の2施設のみ。徳洲会グループでは東京西徳洲会病院、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、福岡徳洲会病院も取得。今後も正確な検査業務の実施を通じ地域医療に貢献していく。

認定施設は全国53施設

質の高い検査業務に尽力する上田技師長(後列右)と臨床検査室スタッフ

日本超音波検査学会の精度認定制度は腹部、心臓、血管、体表、健診の5領域の超音波検査業務に関し「標準化され、かつ精度が十分保証されていると評価できる施設に対し、精度保証施設として認定する制度」。5年ごとの更新制。同学会が2019年度から実施している画像コントロールサーベイ(外部精度管理調査)で、一定の基準に達した施設のみが受審できる。

5領域すべてA評価

同サーベイでは超音波の基礎や原理、超音波解剖、5領域の専門知識を確認する画像判読の設問が課される。正答率に応じA、B、Cで評価され、申請時からさかのぼって2年連続でAもしくはB評価が受審の条件だ。

このほか教育プログラムへの参加(同学会のEラーニングや学術集会など)や、標準化の実施と記録(内部精度管理実施や記録保存など)、検査室の適合性(検査手順書が適切など)の基準を満たす必要がある。

腹部超音波検査を行う様子

静岡病院臨床検査科の上田真路技師長(臨床検査技師)は「これまで検体検査に関しては他学会の施設認定制度がありましたが、超音波検査は外部評価がありませんでした。院内で行う内部精度管理以外では、日本超音波医学会が認定する超音波検査士といった個人資格を取得するなど個々人のスキルに頼る部分が大きかったのが実情です」と指摘。続けて「日本超音波検査学会は以前から精度認定制度の開始をアナウンスしていましたので、画像コントロールサーベイにも当初から参加し、いち早く今回の精度認定を取得するための準備をしました」と経緯を説明する。

超音波検査士の資格は体表臓器、循環器、消化器、泌尿器、産婦人科、健診、血管と領域が細かく分けられており、一度の試験で受けられるのは1領域に限られている。

「それだと複数の領域をカバーするには何年もかかってしまいますし、誰が検査を行っても同じ結果を出せるというラボ(施設の検査室)としての精度の担保にはなりません。もちろん、資格取得はモチベーションアップやスタッフ個々人のスキルアップに有効であるため、チャレンジを推奨しています。施設認定と個人の認定資格を両輪とし、質の高い検査業務に取り組んでいきたいです」(上田技師長)

同院には21人の臨床検査技師が在籍し、上田技師長を含む4人が超音波検査士の有資格者だ(それぞれ複数領域を取得)。

また、臨床検査室として実施できる地域医療への貢献として、地域の診療所からの検査受託にも注力。この2年間ほどで超音波検査装置などを一新し、肝硬度測定などが可能になった。肝臓の硬さを調べることで、慢性肝炎から肝硬変や肝がんへの進行を早期に発見できる。従来は腹部に針を刺し組織を採取する肝生検を行っていたが、技術の進歩により超音波検査で非侵襲的に調べることができるようになった。

こうした機能向上を、同院の受診者のみならず地域に還元するため、検査受託に取り組んでいる。対外的にピーアールしていくうえでも今回の精度認定は有効なツールとして期待できる。

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