徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)11月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1364 1面

介護老人保健施設ほのか
見守り支援システム導入
グループ初 順次導入を検討

介護老人保健施設(老健)ほのか(山形県、定員100人)は4月に見守り支援システムを導入、威力を発揮している。ベッドに装着する体動センサーと天井に設置する映像センサーで、スタッフステーションにいながら、居室で過ごす利用者さんの状態や生活リズムなどが24時間把握できる。利用者さんの安全確認や職員の負担軽減が狙い。導入から半年間が経過し、操作に慣れたスタッフが増え成果が表れている。徳洲会介護施設で順次、導入を検討していく。

利用者さんと職員守る!

導入を進めたメンバー(前列右が星山・事務責任者、その左が佐藤・看護師長)

老健ほのかが導入した見守り支援システムはパナソニックの「LIFELENS」。体動センサーと映像センサーで構成され、これらを通じ利用者さんの居室での状態を24時間モニタリングする。具体的には、ベルト状のシート型センサー(体動センサー)でベッドに巻き付けるように装着。利用者さんの体圧から特定のアルゴリズム(算法)に基づき心拍レベルと呼吸レベルをモニタリングしたり、離床状態を感知したりする。

映像センサーは天井に装着し、居室の状況を映し出す。各センサーの情報は、インターネットを介しスタッフステーションの端末やスマートフォンのアプリから確認できるため、スタッフは毎回、居室を訪れる必要はない。映像は1週間分の保存が可能。プライバシーにも配慮し、本人が特定できないようにぼかし処理を施すこともできる。

ベッドの体動センサーと天井の映像センサーで利用者さんの状態を確認

老健ほのかは昨夏から本格的に導入を検討。当時の状況を星山裕二・事務責任者は「厚生労働省が介護現場でのICT(情報通信技術)活用を推進していることもあり、徳洲会介護部会でも以前から介護ロボットやシステムの活用に関する話は出ていました。その一環で見守り支援システムの話が上がり、一般棟だけでなく認知症専門棟も有し、かつ個室が定員の半数以上と多いことから、まずは当施設で導入することになりました」。

端末に表示される「みまもりビューワー」。利用者さんの状態がアイコンで確認しやすい。写真左上の映像センサーも広角な映像のため居室全体を見渡せる スマートフォンでも一目瞭然。アラートは赤く表示

その後、同部会幹部らとグループ外で導入している施設を見学したり、施設内でコアメンバーを選定したりするなど準備を進め、全ベッドに導入。ナースコールと連動させ、異常を感知した場合は自動でコール音が鳴り、スピーカーをとおし会話も可能にするといった工夫を施し、今年4月に本格的に稼働させた。

導入当初こそ、操作に慣れず混乱が生じたが、半年が経過した現在は多くのスタッフが扱えるようになり、とくに夜間の見回りでスタッフの負担が軽減するなど、導入のメリットを実感できるようになった。

「スタッフの配置が多く、利用者さんもホールに集まってスタッフの目が届きやすい日中に比べ、夜間はスタッフが1フロア3人。従来は1時間に1回、見回りを行っていました。看護師は1人のため、複数のフロアを1人で往復しなければなりませんでした。今は必要に応じ居室を訪れます」と、佐藤千智・看護師長。

「最初の頃は、どうしても自分の目で確認したいという思いからスマートフォンを持ったまま居室に行ったりしていましたが、注意すべき利用者さんを拡大表示させるなど使いこなせるようになりました」。

院内の勉強会にも活用。映像を見ながらインシデント(ヒヤリハット)ケースの経緯や原因を分析したり、夜間に覚醒してしまう時間帯やトイレに行く時間帯など、今までわかりづらかった利用者さんの生活リズムをスタッフ間で共有したりしている。

フロアリーダーを務める久保田知・介護主任(介護福祉士)も「多床室もカーテンを閉めプライバシーを保護した状態で確認できるので、とても助かります。導入して良かったです」と笑顔。今後、他の徳洲会介護施設でも導入を検討していく。

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