徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)11月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1363 2面

日本脳神経外科学会学術総会
徳洲会から7演題発表

日本脳神経外科学会は第81回学術総会を9月28日から4日間、神奈川県の会場とオンラインのハイブリッドで開催した。テーマは「変わること、変わらなければならないこと、変わってはいけないこと」。徳洲会からは一般口演で4演題、ポスターで3演題の発表があった。一般口演を中心に紹介する。

渋谷部長は頸動脈用ステント「CASPER」を用いた症例を検討

武蔵野徳洲会病院(東京都)の渋谷肇・脳神経外科部長は「CASPERの特性を活かしたCASの検討」と題し発表。同院と関連施設で実施した経皮的頸動脈ステント留置術(CAS)のうち頸動脈用ステント「CASPER」を用いた11例を検討。

CASPERは適切なサイズを選択して十分に病変をカバーすることで遠位塞栓を防止し、血管形成的にも良好な成績が期待できると提言する一方、「十分な前拡張とステントシステムとの干渉を防止するために、EPD(脳保護デバイス)の位置に注意する必要があります」と注意喚起した。

「集束超音波治療の両側への保険適用を期待」と山本センター長

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の山本一徹・機能的神経疾患センター長は「本態性振戦に対する集束超音波両側視床破壊術の前向き試験(BEST-FUS Phase 2 Trial)」をテーマに発表。片側の集束超音波治療を実施した後、反対側にも同治療を行う場合のポイントを説明し、同院での20例の成績を提示、2回目の治療後も1回目の治療効果が続いていることなどを示した。

「この治療は人生で1回だけしか保険適用されません。エビデンスを積み重ねることで、対側治療も保険適用されること、ガイドライン改訂があることを期待します」。

中西医師は「Guide Post」を用いた治療成績を報告

八尾徳洲会総合病院(大阪府)の中西勇太・脳神経外科医師は「Slender distal access catheter(DAC)を使用した破裂脳動脈瘤コイル塞栓術の治療成績」と題し発表。同院で破裂脳動脈瘤に対し、Slender DAC(細径かつ広内腔のカテーテル)である「Guide Post」を使用してコイル塞栓術を行った9例が対象。

「ESへの手術は重要な治療選択のひとつ」と高医師

とくに遠位部動脈瘤や小型動脈瘤の塞栓では、安定したマイクロカテーテルの留置が難しく、術中出血性合併症のリスクが高いなか、「動脈瘤近傍まで安全に到達可能なDACを使うことで、安全に手術できる可能性があります」と示唆した。

同院の高沙野・脳神経外科医師は「てんかん性スパズム(ES)に対する外科治療成績」をテーマに発表。ESに対し根治手術や緩和手術を施行した41例を検討した。

41人中31人で予後が良好。術前因子として発作開始から手術までの期間が長いこと、脳波でヒプスアリスミア(特徴的なてんかん性異常波)を認めることなどが予後不良因子と説明した。41人中25人で術後ESの再発を認め、再発時期13カ月以内だったことも言及し、「根治手術や緩和手術は、内科治療が効きにくいESに対し、重要な治療選択のひとつです」。

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