徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)11月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1363 1面
第7回徳洲会心臓血管外科部会が10月6日、第75回日本胸部外科学会定期学術集会の会期に合わせ神奈川県内で開かれた。今回から千葉西総合病院の中村喜次・副院長兼心臓血管外科主任部長が部会長を担当。全国から約30人の心外医師が集まり研鑽を積んだ。
「世代交代が進み、うれしく思います」と東上理事長
冒頭、東上震一理事長が「今回から部会長が代わりますが、世代交代が進み、うれしく思います。盛りだくさんの内容ですので、活発な意見交換をしていきましょう」と挨拶した。
これまで部会長を務めてきた大橋壯樹・副理事長は「徳洲会グループには多くの部会がありますが、当部会が模範になれると良いと思います。若い先生が多く入りましたので、徳洲会の心外医療を質量ともに高めていってください」と期待を寄せた。
「徳洲会の部会の模範になるように」と大橋・副理事長
新たに部会長に就任した中村副院長は「徳洲会の心臓血管外科には歴史があり、臨床重視で行ってきました。今後は学術的な活動にも力を入れ、若い先生方も徳洲会にいることを誇りに思えるように、当部会が少しでも貢献できればと思います」と所信表明。
部会長に就任した中村副院長が全体の司会を担当
続いて、羽生総合病院(埼玉県)の新田隆・循環器統括顧問が「心房細動手術:問題点と将来の展望」と題し講演した。心房細動に対し、心臓の中にある異常な電気の通り道を断ち切る治療であるメイズ手術について、効果や問題点を指摘。今後のパラダイムシフトとして、カテーテルアブレーション、新規抗凝固薬、外科治療の進歩を挙げ、「他の心臓手術との合併手術も必要であり、心外医師の教育が重要になります」と強調した。
全国から30人ほどが参加し情報や意見を交換
また、日本胸部外科学会定期学術集会で徳洲会から発表された28演題のうち4演題を共有した。吹田徳洲会病院(大阪府)の白川岳・心臓血管外科医長が「心臓CTを用いた大動脈壁弾性率の非侵襲的計測」、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の加賀谷英生・心臓血管外科医師が「A型大動脈解離に対するnon Total Arch Replacement術後の遠位側再手術」、名古屋徳洲会総合病院の菱川敬規・心臓血管外科医師が「当院での3連以上のSequential Bypassを用いた冠動脈バイパス術187症例の検討」、千葉西病院の澤真太郎・心臓血管外科医師が「低侵襲僧帽弁手術における扁平胸郭の影響の検討」と題し、発表した。
最後に、徳洲会臨床工学部から「人工心肺回路の標準化」、徳洲会インフォメーションシステムから「学術フォーラムシステムSummit」について説明があった。Summitは心外分野のデータベース化を促進するもので、大橋・副理事長は「日常業務の削減になりますし、徳洲会全体の大きな財産にもなります」とアピールしていた。