徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)11月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1363 1面

徳洲会
新潟県と初期臨床研修で連携
「県外たすきがけプログラム」に協力

徳洲会グループは新潟県と臨床研修(医学部卒業後に行う初期研修)での連携をスタートした。同県が今年に入り創設した「県外たすきがけプログラム」によるもので、具体的には県内の大学病院または臨床研修指定病院および県外の一般病院で、概ね1年ずつ臨床研修を行う。徳洲会の臨床研修指定病院のうち、16病院が同県の大学病院や臨床研修指定病院と連携し、同プログラムを希望し各連携先でマッチングした1年次研修医などの教育を行う。徳洲会、新潟県、研修医のいずれにもメリットをもたらすことが期待される。

初期臨床研修は、医学部卒業後に行う2年以上の研修。厚生労働省から臨床研修病院に指定されている病院でしか行えず、指定を受けるには一定の要件を満たさなければならない。臨床研修指定病院には、独自の研修プログラムを用意して研修医を指導する「基幹型」と、基幹型が行う研修プログラムの一部を担う「協力型」があり、協力型は実績を積むことで基幹型に指定される場合もある。

基幹型病院の受け入れ人数は、指導体制や実績、地域事情によって施設ごとに決まっており、研修希望者と研修先の組み合わせは、原則、医師臨床研修マッチング協議会が運営するマッチングシステムで決定。研修プログラムは、当該臨床研修指定病院のみで完結するもの以外に、他の基幹型病院や協力型病院で用意されたプログラムに基づき、双方で研修する「たすきがけ方式」を採用しているケースもある。

2020年4月、松本晴樹・新潟県福祉保健部長(医師、公衆衛生学修士)が着任後、医師の研修強化に着手。研修の魅力向上をはじめ、研修医が、国内外でMBA(経営学修士)やMPH(公衆衛生学修士)など資格を取得した医師らの講義を受けられる「イノベーター育成臨床研修コース」を開始した。 

「研修医をしっかり鍛えていただきたい」と松本・新潟県福祉保健部長

「県外たすきがけプログラム」も取り組みのひとつとして今年に入り創設。23年度からの新たな研修プログラムとして、新潟県内の基幹型病院の研修プログラム内に、たすきがけ方式で県外の基幹型・協力型病院で学べる環境を整備した。研修医は、1年目は県外の研修病院、2年目以降は県内の研修病院で学ぶ。

同プログラム創設の理由を松本部長は「医師の確保」と説明する。「国が示す直近の医師偏在指標で、当県は全国で最下位。何とか医師を、さらに確保したいと考えていましたが、そもそも県内に医学部がある大学はひとつしかなく1学年100人程度。今までどおりでは、状況は改善しないと思いました。とくに若い医師に来てもらうためにも教育に力を入れようと考えましたが、違う視点からのアプローチが必要と感じ、一緒に医師を育ててくださる病院が県外にもないかと考えました」。

徳洲会スピリットに感銘

地域や特徴などが異なる病院で、さまざまな経験を積み、医師としての基礎をしっかり築けるよう、松本部長は各地域で連携先の医療機関を模索。そのなかで、“古巣” の徳洲会に打診した。松本部長は08年から1年間、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)で当時の後期研修を受けた。「研修期間中には山形県の庄内余目病院など地方の徳洲会病院にも行きました。研修全体を通じて徳洲会のスピリットに感銘を受けました。本当に良かったと思っています」。

これを受け徳洲会では16の基幹型・協力型病院が、新潟県内の基幹型病院が設ける研修プログラムの協力型病院として連携することとなった(図)。

10月27日現在、4人が県外たすきがけプログラムを利用し、徳洲会4病院で研修を受けることが内定している。「ぜひ徳洲会が掲げる“生命だけは平等だ”の理念や、少ない人数で多くの患者さんを受け入れる方法や考え方を身に付けてほしいと願っています」(松本部長)。

徳洲会臨床研修委員会事務局も「一次募集で徳洲会の研修病院にマッチングしなかった研修希望者が、『短期間でも徳洲会で研修したい』と、県外たすきがけプログラムを利用して応募いただくケースがあります。協力型の徳洲会病院にとっても実績を伸ばすチャンスにもなります」と指摘。「今後、二次募集や三次募集もあるので、もっと利用者数は増えると思います」期待を寄せる。

松本部長は「徳洲会グループの協力があったからこそ、北海道から沖縄県まで全国各地で研修が受けられる環境が整いました。本当に感謝しています。コロナ禍もあり、県外たすきがけプログラムを十分に周知できていませんが、今後は積極的にピーアールしていきたいと思います」と意欲を見せている。

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