徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)10月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1360 4面

介護&解語 ~施設からお答えします~⑦
特養の「医療対応」

特別養護老人ホーム(特養)は、あくまでも生活の場であるため医師の常駐、あるいは看護師の夜間配置は義務付けられていません。では、とくに夜間の急変時などは、どのように対応するのでしょうか。今回は特養の医療対応について、急変時を中心に特養宇治愛の郷(京都府)の越野政子施設長が解説します。

越野政子 特養宇治愛の郷施設長

特養は公的介護保険で利用できる施設のひとつで、在宅生活が困難な高齢者が入居し介護を受けながら生活します。“終の棲家”とも呼ばれるように、看取りを含む長期入居が前提です。利用は「原則、要介護3以上」とされており、中・重度の方が対象です。

特養宇治愛の郷の「延命に関する意思確認書」と「看取り介護に対する同意書」

ただし、医療施設ではないため、特養の人員配置基準で常勤医師は必置とされていません。 “嘱託医”といって当該介護施設と連携している医療機関の医師が、定期的に施設を訪れ入居者さんを診るスタイルが一般的です。当施設では開設主体(社会福祉法人京都愛心会)の理事長が医師であるため、嘱託医として日・祝日以外は日中に施設を訪れ入居者さんの健康管理を行っています。また、看護師も日中は必置が求められますが、夜間は義務付けられてはいません。

そのため、急変時の対応方法は施設によって異なります。高齢化がさらに進み、医療的ニーズの高い方は年々、増加傾向にあり、最近は利用を考えている方や、ご家族から医療対応体制について尋ねられることが少なくありません。また「何かあった時は、すぐに病院で受診を」と、できる限り医療的な対応を望む声が寄せられるケースも増えています。

医師・医療機関との連携や事前に意向を伝えておくこと重要

一般的に、特養の急変時対応で大切なのは、ひとつは医師や医療機関との連携です。当施設の場合、急変時などは、関連施設の徳洲会グループ病院が隣接しており、連絡すると同院の救急車が駆け付けます。万一、救急車が出せない時は地域の救急車で搬送します。同院で受け入れてもらえるため、受け入れ先を探す必要はありません。

もうひとつのポイントは、どこまで医療的ケアを望むのか、利用者さん本人、ご家族、ケアマネジャー、施設職員、病院職員などが共有できるようにしておくと良いでしょう。

医療機関や介護施設によっては「事前指示書」、「同意書」、「意思確認書」といった文書が用意され、利用者さん本人や、ご家族の意向を伝えておくツールがあります。当施設にもあり、入居前に確認しますが、考えが変わるなどで、後日変更することももちろん可能です。希望する医療的ケアを明確にし、あらかじめ施設側に伝えておくこともまた、特養を利用する際に重要な要素になります。

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