徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)10月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1359 4面
板垣・副技師長とMRI担当スタッフ 東京西病院がDWIBSに用いるMRI装置
東京西徳洲会病院はMRI(磁気共鳴画像診断)を活用した検査法であるDWIBS(背景抑制広範囲拡散強調画像)法を実施、順調に件数を伸ばしている。同検査は2004年に開発された全身のがん検索などを行う手法で、造影剤を使用せずに撮影可能であり、放射線被曝もないといったメリットがある。
同院は20年2月にDWIBSを開始。実施件数は22年7月末時点で累計921件に上る。徳洲会病院では最多だ。現在は月間50~60件で、とくに多いのは検診、消化器内科、外科、乳腺腫瘍科。
徳洲会放射線部会MR分科会長を務める同院放射線医学センターの板垣伸一・副技師長(診療放射線技師)は「DWIBSのみで確定診断を行うことは難しいですが、被曝なしに、造影剤も使わずに全身をスクリーニングでき、要精査の方々を、より詳細な検査へ橋渡しする“入り口の検査” としてとても有用です」とアピールする。
また、検査精度など異なるため単純比較はできないが、全身のがん検索で有用なPET–CTと比べ価格が低いのも利点だ。「DWIBSで異常が見つかった方が次に受ける精密検査としてPET–CTのニーズがあるため、PET–CTを有する当院では相乗効果が生まれています」(板垣・副技師長)。
徳洲会はグループ病院でのDWIBSを推進、同部会によると21年度に30病院が実施した。一定以上の性能を有するMRIであれば可能な撮影法なため、水平展開を図った。撮影条件の設定でノウハウが要るため、同部会はマニュアルを整備するなど普及に努めてきた。