徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)09月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1357 4面
石垣 早知子 八尾徳洲会総合病院小児科部長、日本小児科学会専門医、医学博士、子どもの心相談医、地域総合小児医療認定医
A. お答えします。
キスの頻度と程度によると思います。虫歯菌の感染力はそれほど高くありません。1回や2回のキスで移るということは、まずありませんが、赤ちゃんがかわいいからと食べ物の口移しや、大人がかみ砕いた食べ物を与え続ける、ご家族が使った箸を使って毎日食事をあげるなどしていると、感染する可能性が高くなります。とくに乳歯が生えそろう3歳くらいまでは気を付けてあげてください。
一方で、虫歯菌に限らず感染症を恐れるあまりスキンシップがほとんどないと、赤ちゃんの発達に影響が出る可能性もありますし、何よりかわいそうです。子どもは触れ合うことで愛情を認識するとの研究もありますし、生後4カ月くらいまでの赤ちゃんは大人の顔を判別する能力が高く、両親にスキンシップを取ってもらえているかどうかが、わかると言います。
育児放棄された子どもの身長の伸びが悪いように、愛情が発達や成長に与える影響は多大です。口に触れ合う程度の軽いキスや頰へのキスなどなら問題ありません。良いと思う方法でたっぷりスキンシップ取ってあげてください。