徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)09月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1357 2面

病気のはなし103
基礎疾患なくてもリスク
新型コロナの小児死亡例

8月31日、国立感染症研究所が新型コロナ感染症による20歳未満の死亡例に対する積極的疫学調査を報告、基礎疾患の有無が判明している35例のうち約半数にあたる17例の死亡例に基礎疾患がないことがわかった。また、実地調査ができた29例のうちワクチン接種対象年齢5歳以上(15例)の87%がワクチン未接種だった。

日本では成人のワクチン接種が進み、12~19歳も9月20日時点で75.4%が2回接種済みの一方、5~11歳の接種は様子見をするケースが多く、1回接種が20.2%、2回接種は18.8%にとどまっている。ワクチン接種は本人や保護者の判断に委ねられているが、基礎疾患なしの死亡例が約半数を占め、また小児死亡例の87%がワクチン未接種であったことをふまえると、5~11歳のワクチン接種をあらためて検討する段階にきている。日本小児科学会は5~17歳のすべての小児にワクチン接種を推奨。

小児死亡例のうち73%が発症から1週間未満で死亡している。感染初期の段階で注意深い経過観察が重要だ。症状は発熱(79%)、悪心嘔吐(52%)、意識障害(45%)、咳嗽(31%)、経口摂取不良(31%)、けいれん(28%)、呼吸困難(24%)など。死因と疑われる異常は循環器系の異常(24%)、中枢神経系の異常(24%)、呼吸器系の異常(10%)と幅広く、全身状態の観察が肝要だ。

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