徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)09月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1355 4面
徳永義寛 近江草津徳洲会病院(滋賀県)放射線科技師長
PET(陽電子放出断層撮影)は、ポジトロン放出核種と呼ばれる放射性同位元素を合成したブドウ糖によく似た薬剤(18F-FDG)を投与し、体内での分布状況を画像化します。これにより、がんの有無や大きさ、転移・再発、治療効果を調べることができます。正常細胞よりもブドウ糖を多く取り込むがん細胞の性質を利用しています。PET-CTはCT(コンピュータ断層撮影)装置が内蔵されており、病変の形態情報も得られるため、より正確な診断に寄与します。
大きさや密度があまりに小さく、がん細胞の数が少ない腫瘍や、がん細胞の種類によってはブドウ糖の取り込みが少ないものもあり、PET-CTで全てのがんの診断ができると一概に言うことはできませんが、がんの存在や浸潤、転移などに関して全身を検索できる有用な検査です。アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβタンパク質の蓄積や心臓の虚血状態の評価などに用いることもできます。