徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)09月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1355 2面

病気のはなし101
低侵襲治療の登場
心臓弁膜症

心臓には4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)があり、血液がそこを通過する際に逆流を防ぐための弁がそれぞれの部屋の出口にある。心臓弁膜症は何らかの原因で弁がうまく開かなくなり(狭窄)、血流が滞ったり、逆にしっかり閉じることができなくなり(閉鎖不全)、血液が逆流したりしてしまう疾患で、心臓に強い負荷がかかる。

進行していなければ薬物療法で様子を見ることもあるが、根治には弁の抜本的な修復が不可欠。外科療法(手術)には弱った弁を人工弁に置き換える弁置換術、もしくは元の弁を修復する弁形成術がある。手術では昔は胸を大きく縦20~30㎝ほど切開する胸骨正中切開が主流だったが、「今は右胸をいくつか小さく切開し、そこから内視鏡などを入れて手術を行うMICSという低侵襲心臓手術が登場、術後のダメージを大幅に減らせるようになりました」と岸和田徳洲会病院(大阪府)の畔栁智司副院長(心臓血管外科)。

また、大動脈弁狭窄の一部のハイリスク患者さんには、TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)も選択肢となり、治療の幅が広がったことから「初期であれば手術成績はかなり良いです」と畔栁副院長。一方、初期には症状がなく、早期発見しづらい疾患であることから、「健診などで心雑音があると言われたら、早めに心臓血管外科受診を」と畔栁副院長は呼びかけている。

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