徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)08月15日 月曜日 徳洲新聞 NO.1351 4面

成田富里病院
幅広い疾患に効果
高気圧酸素治療装置
2台目導入

新たに導入したHBO装置(第1種)を活用し治療実施

成田富里徳洲会病院(千葉県)は高気圧酸素治療(HBO)装置を6月に1台増設、計2台体制に強化した。HBOは高気圧環境をつくりだす装置内で100%酸素を吸入し、全身に酸素を供給する治療法。減圧症や末梢循環不全、創傷、突発性難聴、骨髄炎や放射線障害など幅広い疾患に効果が期待できる。HBO装置には1人用の第1種装置と、複数人が入れる第2種装置がある。

同院ME室の隈井友樹・副技士長は「以前は1日4枠(1枠=2時間)でHBOを行い、月に80件ほど実施していました。適応のある患者さんが増えてきたため、午後9時まで稼働時間を延ばし、1日6枠に拡大し月間120件ほどにまで実績が増加。順調に件数が増えてきたことから2台目の導入に至りました」と説明する。

同院では末梢循環不全や、さまざまながん種の患者さん、脳梗塞、突発性難聴などでの活用が多いという。がん患者さんに関してはHBOを行うことで、がん細胞の低酸素状態を改善し化学療法の効果を高めることができるため、外来化学療法後の患者さんに実施。臨床工学技士が1人、毎日必ず夜間当直に入っており救急への対応も万全だ。

通常は15分かけて加圧していき、1時間経過後に15分かけて減圧する。次の患者さんが入室するまでの30分間で感染対策の消毒など準備を行う。

「肢の傷が良くなるまで、しばらく高気圧酸素治療を続けますね。では、お部屋に入りますよ」。スタッフが患者さんに優しく話しかけながら、治療用のカプセル内に誘導した。取材で訪れた日に遭遇したひとコマだ。

隈井・副技士長は「2台体制となったことで、スタッフの時間外勤務を減らすことにもつながりました。使用前の確認など安全管理をしっかりと行いながら、これからも患者さんのために貢献していきたい」と抱負を語っている。なお徳洲会グループでは25病院がHBO装置を導入している。

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