徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)07月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1347 2面

病気のはなし95
免疫回避の可能性

オミクロン株Ba.5系統

検疫で新型コロナ感染症オミクロン株Ba.4系統とBa.5系統が国内で初めて確認されてから約2カ月、これまで国内の主流であったBa.2からBa.5に急速に置き換わりが進んでおり、8月初旬には新規感染の大半がBa.5になるとの試算もある。 Ba.5は感染力がBa.2より12~13%もしくはそれ以上高いという報告があるだけでなく、免疫回避能力も強い見とおし。コロナワクチン接種者や、オミクロン株感染者の抗原性評価では、Ba.5に対する中和抗体(感染や重症化を抑止する)価がBa.2に比べ1.6~4.3倍低下したとの報告もある。 WHO(世界保健機関)はBa.5の重症度上昇に関する知見は今のところないと発表しているものの、東京大学医科学研究所によるとBa.5は肺で増殖しやすい特性をもっているとの実験結果も出ており、今後、高齢者や基礎疾患をもつ層を中心に重症例が増加する懸念は十分にある。 国内のワクチン3回接種率は7月11日時点で62.2%、うち65歳以上は90%と高齢者の接種率は高いが、3回目接種から5カ月が経過し、Ba.2に対してさえ、ほぼ感染抑止効果を失っている高齢者も少なくない。既存のワクチンでは感染抑止効果は限定的だが、重症化防止の観点から、政府は希望者が速やかに4回目接種できる体制を構築するよう自治体に要請している。

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