徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)07月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1346 4面

介護&解語 ~施設からお答えします~④
ユマニチュードで円滑なケア

「ユマニチュード」という言葉をご存じでしょうか。これは、フランス発祥のケア技法を指します。医療、看護、介護の現場で、高齢者の方や認知症の方のみならず、ケアを必要とするさまざまな方に適用できるケア技法です。日本ユマニチュード学会によると、日本でのユマニチュードの歴史は2012年にスタート。その草創期から入所者さんにユマニチュードを実践している介護老人保健施設岸和田徳洲苑(大阪府)の矢持英治施設長が解説します。

矢持英治 老健岸和田徳洲苑施設長

ユマニチュードでは「見る」、「話す」、「触れる」、「立つ」という動作を“ケアの4つの柱”と位置付け、相手とポジティブな関係を築く重要なコミュニケーションの機会ととらえます。たとえば相手の目を見て話す、優しく触れながら話しかける、といったように、一つひとつは難しいことではありませんし、特別なことでもありません。ふだんのケアのなかで皆さんが自然と行っている動作でもあるでしょう。もう少し説明を続けます。相手と同じ高さ、もしくは相手よりも下からの目線で、正面から見ることによって、「平等」や「親密さ、優しさ」を示すメッセージとなります。廊下などで声をかける場合は、当施設では必ず正面に回り込み、相手の視界に入ってから声をかけます。とっさに振り返ったはずみで転倒することも防げます。

ユマニチュードに基づくケアを実践。優しく触れながら入所者さんの視界に入って話しかける様子

また、話しかける時は優しく穏やかに、相手の尊厳を認める表現の言葉遣いが大切で、触れる時には、ゆっくり、なでるように、包み込むように触れることで、優しさを伝えることができると考えます。ご高齢になると筋肉量が落ちますが、可能な限り寝たきりにならないよう、お手洗いに行く際などを機会ととらえ、立つ時間をつくることが肝要です。

新たなケア技術を習得しモチベーションアップ

紙幅の都合で詳述はできませんが、“5つのステップ”という考え方もあります。たとえばケアを終えて離れる時には「再会の約束」をします。ポジティブな感情を記憶にとどめてもらうためです。

介護現場では時に入所者さんがケアを嫌がったり拒絶したりすることがあります。しかしユマニチュードを根気よく継続的に実践することで、穏やかになり、受け入れてくれるようになると期待できます。円滑なケアの提供に資する有用なコミュニケーションツールと言えます。ユマニチュードは特別なことではない、と前述しましたが、スタッフによって取り組み方に多少ばらつきがでますので、当施設では10年ほど前から勉強会を定期的に開き、スタッフ全員で一丸となり、意識的にユマニチュードを取り入れたケアに努めています。スキルアップにつながりモチベーションアップといった副次的な効果も得ています。

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