徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)06月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1344 4面
A. お答えします。
神山 和也 南部徳洲会病院産婦人科部長、日本産婦人科学会指導医・専門医、医学博士
現在までに新型コロナ感染症のワクチンが妊娠や出産に影響を与えたというエビデンス(科学的根拠)はありません。生ワクチンは、妊娠期間中は使えませんが、コロナワクチンに生ワクチンはありませんから、不妊治療中であっても問題なく打つことができます。
むしろ、私の住む沖縄県の医師会では妊婦さん、または妊娠の可能性がある女性にはワクチン接種を強く推奨しています。妊娠後期に新型コロナに罹患し、重症化した場合、高度な医療設備の整った病院でしか出産できなくなるからです。そうした病院が空いていればいいのですが、感染拡大期には病床がなく適切な治療が受けられない可能性もあります。
SNSなどでワクチンにより流産したなどのデマが散見されますが、流産はある一定の確率で誰にでも起こり得ることで、ワクチンとの関連性の報告はありません。ワクチンを3回打ったとしても、時に罹患しますが、重症化予防の効果は大きいですから、まだ接種されていない方は、ぜひ接種を検討してください。