徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)05月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1340 1面

館山病院
新病院完成で竣工式と内覧会挙行
130年超える歴史に新たな1ページ

医療法人徳洲会(医徳)は5月22日、館山病院(千葉県、208床)の新病院竣工式を挙行した。当日は医徳や同院をはじめ徳洲会グループ、地元の議員、行政、医師会など関係者83人が列席。明治時代に始まる同院の長い歴史に思いをはせつつ、新病院の完成を祝福した。内覧会も開き、地域住民の方々ら約350人が参加し、こだわりぶりや随所に施された工夫に感心していた。

6月1日診療をスタート

式の最後に列席者全員で記念撮影

竣工式と内覧会は感染対策を施したうえで実施した。竣工式には医徳や一般社団法人徳洲会関係者、館山病院をはじめグループ病院の幹部、地元の県議会議員、医師会、行政、海上自衛隊、消防署、警察署など関係者が出席した。

テープカットに臨む(左から)浅川・代表取締役、山本寛・三井住友銀行麹町法人営業部部長、小嶋副会長、金丸市長、安富祖理事長、竹内院長、三沢議員、原会長、河﨑取締役

「愛され頼られる存在であり続けてほしい」と安富祖理事長 「地域密着型ケアミックス病院に」と新病院に込めた思いを語る竹内院長

神事後、セレモニーを行い、建築主として医徳の安富祖久明理事長が挨拶。新病院の完成を喜ぶとともに関係者に謝意を表した。そのうえで、あらためて同院の歴史を説明。1891年(明治24年)に館山町民の有志から嘆願され設立されたこと、1923年(大正12年)の関東大震災で建物の大部分が崩壊した際には、資生堂の創業者である福原有信氏の出資を受け再建を果たしたこと、初代院長の川名博夫医師が07年(明治40年)に千葉県の初代医師会会長に推挙されたり、3代目院長の川名正義医師が45年(昭和20年)に同医師会会長に就任したりするなど、地域医療への貢献が今日に至るまで脈々と受け継がれ、地域から長年、親しまれてきたエピソードなどを紹介した。

同院が徳洲会グループ入りした経緯にも言及。2002年末に当時の大島博幸院長(現・名誉院長)から、東京医科歯科大学の教授時代の教え子という縁で中部徳洲会病院(沖縄県)総長の安富祖理事長に相談が寄せられ、徳田虎雄・医徳名誉理事長(当時は理事長)が「患者さんが本当に困るのであれば、私たちが引き受けるしかない」と無条件で受け入れ、05年にグループ病院になった。

新病院については「海と山のリゾートホスピタル」をキーワードに、ケアミックス病院として機動力を発揮できる病院、リハビリテーションを核とした病院、災害時に対応できる病院、地域に貢献できる病院というコンセプトを説明。人々を優しく迎えるリゾートホテルのような「病院らしくないシンボリックな外観」に、患者さんに配慮したフロア構成、見とおしの良いスタッフステーションまわりなど、「見守りやすく集まりやすい病棟」を実現したと紹介した。

新築移転を機に新たな一歩を踏み出す館山病院。新病院は旧病院から直線で1.5㎞

最後に、「徳洲会は“生命だけは平等だ”の理念の下、『いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会』を目指して成長してきました」と強調し、北海道から沖縄県まで71病院をはじめとした400余の医療・介護・福祉施設を展開するとともに、約3万9000人の職員が安全・安心な医療・介護・福祉を提供するため、日々、たゆまぬ努力を続けていることを言明。新病院について「住み慣れた地域で急性期から慢性期まで一貫して治療を任せたいと思っていただけるような、地域の皆様に愛され頼られる存在であり続けてほしいと心から願っています」と結んだ。

金丸市長は今までの活動に謝意を示すとともに新病院に期待金丸市長は今までの活動に謝意を示すとともに新病院に期待

新病院が移転地でしっかり根付き、さらなる発展を望む三沢議員新病院が移転地でしっかり根付き、さらなる発展を望む三沢議員

小嶋副会長は職員に「歴史と由緒ある病院であることを誇りに」小嶋副会長は職員に「歴史と由緒ある病院であることを誇りに」

病院と一緒に変化してきた職員の苦労に思いを寄せる原会長病院と一緒に変化してきた職員の苦労に思いを寄せる原会長

竹内信一院長は自院の歴史を振り返った後、新病院に込めた思いを吐露。「急性期医療で終わることなく、リハビリや在宅医療など高齢化が進む住民の方々の生活を長い目で見守る“医療から介護までの一貫ケア”、すなわち地域密着型のケアミックス病院を目指します」とし、介護老人保健施設を併設する予定も明かした。

最後に「より一層、地域に愛される、地域になくてはならない病院、必要な病院を目指し、職員一同、ご期待に沿うよう一層の努力を重ねます」と締めくくった。

新病院に対する期待や 職員応援する声相次ぐ

敷地内にある初代から3代目までの院長の胸像。館山病院の歴史を語るうえで欠かせない 多くの地元の方が内覧会に参加

来賓による挨拶では、はじめに金丸謙一・館山市長が登壇。市は多様なサービスや社会資源などを連携させ、市民のあらゆる不安を“まるごと支援”する体制づくりを目指していることを示し、「そんななか“丸ごと医療”として多様なニーズに応える館山病院が新築移転したことは大変うれしい限りです」と喜びをあらわにした。

同院が感染症のスペシャリストを擁することから、市内の小中学校などで感染症対策を指導したり、市内の各種行事などでアドバイスを送ったりする活動に謝意を示し、「今後も地域医療、地域福祉の精神にご尽力賜りますようお願い申し上げます」と語気を強めた。

三沢智・千葉県議会議員は、地域の医療と行政がうまく連携している状況に触れ、「安房地域の中心となる当地に新病院が根付き、ますます発展することを願います」と期待を寄せた。小嶋良宏・千葉県医師会副会長は「私の父は川名正義先生と仲が良く、よく川名先生の名前を口にしていました」と切り出し、あらためて川名博夫医師と川名正義医師について紹介。

とくに川名博夫医師について「県医師会の初代会長に就任した当時は、まだ地域に鉄道が敷かれていませんでした。父から当時の館山病院には馬小屋があったと聞いているので、恐らく馬車で時間をかけて移動されていたのではないかと思います」と話し、「職員の皆様は歴史と由緒ある病院ということを誇りに思い、地域医療を守るため、ご活躍ください」とエールを送った。

原徹・安房医師会会長も同院の歴史に触れ、新病院の敷地内に川名博夫医師、穂坂与明医師(2代目院長)、川名正義医師の胸像が建っていることを紹介。碑文を読み、川名博夫医師が医学部を卒業し2年後に初代院長に就任していることから、同院の設立には「非常に強い民意と支援があったと思います」と推測。

最後に「生き残るのは強い者でも賢い者でもなく、変化できる者」とし、同院が5つの元号を経て「しっかり残っている」と強調。「職員の皆様が病院と一緒になって変わり、また耐えてきたことと思います。これからも頑張ってください」と呼びかけた。

この後、安富祖理事長が設計監理を担当した内藤建築事務所の河﨑邦生取締役と施工を担当したフジタの浅川正幸・代表取締役(専務執行役員)に感謝状を贈呈。最後に、安富祖理事長ら関係者によるテープカットと列席者全員での記念撮影を行い閉式した。

午後からは内覧会も行い、列席者と地域の方が参加。外来、内視鏡室、リハビリ室、口腔機能リハビリテーションセンター、透析、病棟などを見学した。新病院は6月1日に診療を開始する。

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