徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)05月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1338 2面

病気のはなし87
脳の働きすぎが原因
てんかん

けいれん発作で知られる「てんかん」は、脳の一部または脳の広汎な領域の過活動が原因で起こるため、実は脳のどの部分が過活動となるかによって症状はさまざま。頰や口など顔の筋肉が意図せず動いたり、夢遊病のような行動異常を引き起こしたり、精神的興奮により暴力的になったり、なかには過活動の範囲が広がって意識を喪失したりする。

「こうした症状に偏見もありますが、てんかんは脳の働きすぎが原因。頑張りすぎている部分を調整するだけで大部分は落ち着きますから、『脳の働きが悪い』と捉えないでください」と名古屋徳洲会総合病院の小林智則・神経内科部長は訴える。

全年齢で発症するが、0歳児と75歳以上の高齢者に多く見られ、子どもの場合は根治もあり得るが、成人は難しい。ただ、原因が血管奇形や脳腫瘍などの場合は、必要に応じて手術をしたり、薬物によって脳の活動を抑制したりすることで、症状をコントロールでき、大きな支障なく日常生活を送れる場合がほとんどだ。

一方、薬物でコントロールしきれない難治てんかんも1~2割程度存在する。治療には根気が必要で、「自己判断で薬をやめないことが大切です」と小林部長は注意喚起する。高齢者の場合は症状が認知症などと混同され発見が遅れるケースもあり注意が必要だ。

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