徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)05月09日 月曜日 徳洲新聞 NO.1337 3面

日本災害医学会
徳洲会病院とTMAT
合計7演題を発表

第27回日本災害医学会総会・学術集会が3月3日から3日間、広島県で開かれた。会場参加とオンライン参加のハイブリッド形式による開催で、メインテーマは「災害医療のパラダイムシフト―何を攻め・守り・育てるのか―」。徳洲会病院と徳洲会の職員を中心に組織するNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)が合計7演題を発表した。口演(口頭発表)を中心に紹介する。

災害時の妊産婦評価方法

池田 武史
中部徳洲会病院(沖縄県)
集中治療部医長

災害時の妊産婦対応をテーマとしたパネルディスカッションで、演題名は「甚大災害時を見据えた救急救命士への病院前妊産婦救護への教育アプローチ~なぜ妊産婦救護に苦手意識があるのか?~」。池田医長は、2011年から救急救命士を対象に妊産婦救護の教育を実践。受講生の妊産婦救護に対する苦手意識の原因のひとつに、女性傷病者特有の体系的な評価方法が確立されていないことがあると考え、自ら構築した評価方法を紹介した。同定すべき疾患名を示し、フローチャートに基づき妊娠の有無やバイタルサイン(生命兆候)、目視による確認などを段階的に評価し、必要に応じて産婦人科の三次救急医療機関につなげる。

平時の救急医療を想定したものだが、発災時マニュアルの多くに妊娠の確認手順がないことなどを挙げ、災害時の妊産婦トリアージ(緊急度・重症度選別)にも活用できる点を強調。評価方法の普及に意欲を見せ、同方法では気付けない危険な病態を評価する方策など改善点を示した。

臨時医療施設の運用報告

堀田 和子
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)
脳神経外科医長

一般演題(口演)で「災害対応の観点から考えるCovid19仮設病棟―神奈川県臨時医療施設での経験から」と題し発表。

堀田医長は神奈川県が開設し湘南鎌倉病院が運用することとなった臨時医療施設(180床、主に中等症患者さん対象)について説明。建物の概要、受け入れや他院に搬送するまでの流れ、体制や設備、診療面の取り組みなどを紹介した。

稼働開始した20年5月18日~21年9月30日までの入院延べ1810人を解析した結果、中等症1554人(85.9%)、高次搬送 70人(3.9%)、死亡退院88人(4.9%)だったことや、他院が受け入れにくい透析や精神疾患の患者さんも積極的に受け入れ、第5波ではネーザルハイフロー(高流量・高濃度の酸素経鼻投与)35台を備え、県内の集中治療室の負担軽減に努めたことも報告。

従来の仮設病棟と異なる点に「隔離とトリアージの機能を有している」ことを挙げ、自然災害や集団災害など急速に患者さんが増加する状況下でも応用できる可能性を指摘した。

職員のメンタルサポート

野口 幸洋 一般社団法人徳洲会
医療安全・質管理部課長補佐
NPO 法人 TMAT事務局員

一般演題(口演)で「COVID-19への対応に関する医療従事者向けのメンタルヘルス相談窓口開設の取り組み」と題し発表した。徳洲会グループは、新型コロナ感染者を受け入れるにあたり、メンタルヘルス専門家による職員向けの電話相談窓口を常設。20年4月~21年9月までに40件の利用があり、職員の不安軽減や組織的な感染対策の課題解決、さらにクラスター(感染者集団)発生時などに当該窓口を活用した職員への個別フォローアップにもつながった。

野口・課長補佐は、最前線で未知の感染症に対峙する職員の精神的な負担軽減だけでなく、職員のメンタルヘルスに対する管理職の意識向上、長期的には離職予防につながる可能性を示唆した。このほか、ポスター発表も1演題行った。

ポスター発表は次のとおり。▼山本真嗣・湘南鎌倉病院救急総合診療科部長「COVID-19受診・入院依頼に対してロジスティックとして救急調整室が果たした役割」▼合田祥悟NPO法人TMAT医師/札幌東徳洲会病院救急・集中治療センター医師「NPO法人TMATによる病院防災の取り組み (DoRia program)」▼西本幸司・岸和田徳洲会病院(大阪府)資材・施設係課長補佐「想定外の連携を想像する」。

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