徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)05月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1336 4面

ALS自立支援WEB会議
治療開発動向など共有
鎌ケ谷病院などが開催

鎌ケ谷総合病院(千葉県)とALS自立支援鎌ケ谷会議は3月20日、「第17回ALS自立支援鎌ケ谷Web会議」を共催した。「未来への懸け橋」をテーマに充実したプログラムが組まれ、日本ALS協会の嶋守恵之会長をはじめ患者さん・家族の団体関係者や、ALS(筋萎縮性側索硬化症)医療に従事する医療関係者らによる講演が行われた。グループ内外の医療関係者や患者さん・家族など全国から約180人が参加し、ALS患者さんを取り巻く環境や最新治療、在宅医療、生活支援などについて情報共有した。

ALS医療相談室は開設から28年が経過(右から1人目が湯浅センター長)

ALS自立支援鎌ケ谷会議は、鎌ケ谷病院千葉神経難病医療センターの湯浅龍彦センター長が前勤務施設の国立精神・神経センター国府台病院(現・国立国際医療研究センター国府台病院)時代から長年継続。2020年はコロナ禍のため中止を余儀なくされたが、今年は昨年同様、オンラインで開催にこぎ着けた。

今回は4部制で実施。冒頭、鎌ケ谷病院の堀隆樹院長が「患者さんの支援にかける皆さんの熱意に心を打たれました。本日は活発な議論を期待しています」と開会挨拶。

第1部は嶋守会長による「ALSを乗り越える」と題した講演を、当日は嶋守会長の体調不良のため、湯浅センター長が代理で発表を行った。

嶋守会長は「(病名の)告知」、「気管切開」、「望ましい意思決定支援」の3点に関して、患者仲間10人に行ったアンケート結果を紹介しながら、揺れ動く患者さんの心理を説明。また患者さんや家族は、病気の進行や介護体制、経済的な不安など多岐にわたる不安を抱えているため、公的サービスの知識が意思決定に不可欠であり、医学的な情報や医療・社会支援に関する最新情報を必要としていることなどを訴えた。

第2部は「ALS医療相談室創設28年」をメインテーマに3人が発表。同院千葉神経難病医療センターが開設するALS医療相談室は、患者さんや家族が療養生活を送るうえでの環境整備や病気への向き合い方など幅広い相談に応じている。

日本ALS協会千葉県支部事務局の相談役でもある同院の川上純子・家族相談員が、同相談室の歩みを振り返り、家族相談員が心がけていることを紹介。次に、同院歯科口腔外科の星健太郎部長が、口腔を通じた健康管理の取り組みや同院口腔ケアセンターの役割などを説明した。続いて、湯浅センター長は「脳の可塑性と結合性:中田瑞穂先生から生田房弘先生へ」と題し、湯浅センター長の師にあたるふたりの業績を紹介しながら、“脳の可塑性“に基づくALSへの働きかけの重要性を提示した。

「ALSは治せる可能性ある時代に」

特別企画として「治るALSへのストラテジー」をテーマに据えた第3部は、愛知医科大学医学部の熱田直樹・特命准教授(神経内科)がJaCALSの患者レジストリ(データベース)を活用した治療開発の展望などを示した。JaCALSは患者さんの臨床・遺伝情報を解析し、病態解明や治療開発を目指す研究組織だ。徳島大学病院脳神経内科の和泉唯信教授はALS患者さんへのかかわりや、治療法の開発に向けた取り組みなどを紹介した。

第4部は「新たな時代へ歩む」をテーマに、NPO法人Smile and Hopeの太田守武代表(医師)、一般社団法人Unique(ユニーク)の前田理恵・代表理事、みやこグループの木村高仁取締役が各々の活動を発表。

クロージングメッセージには愛知医科大学の祖父江元学長が登場し、「今や時代は大きく変わり、ALSは治せる可能性のある時代に入ってきました」と指摘。ALSに関する創薬研究の現状を解説した。鎌ケ谷病院の竹内優・神経内科医師が閉会挨拶を行い終了した。

湯浅センター長は「多くの方々に参加いただき、とても内容の濃い時間を共有できたことに感激しています。JaCALSを基盤とするALS治療開発の進展に期待するとともに、脳の可塑性や適応能力に着目したアプローチも重視しながら、関係者の方々と力を合わせ、患者さんを支援してきたい」と抱負を語っていた。

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