徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)04月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1334 3面

南部病院
サイバーナイフを隔日照射
前立腺がんで有害事象ゼロ

南部徳洲会病院(沖縄県)は2020年6月に定位放射線治療装置「サイバーナイフM6」を導入し、今年3月末までに580例を突破、このうち約4割に当たる234例は限局性前立腺がんに対する治療だ。金マーカー留置による追尾照射、直腸と前立腺の間に隙間をつくるスペーサーゲル留置、さらに治療プロトコル(計画)の見直しにより、有害事象ゼロ件を維持している。

「サイバーナイフの導入で離島の患者さんにも貢献」と眞鍋医長(中央) 前立腺の周りに留置した金マーカーにより、追尾照射を行う

サイバーナイフはロボットアームを利用し、数㎜から数㎝の小さな標的を極細の放射線ビームで多方向から狙い撃ちすることが可能。1回に大線量を照射できるため、トモセラピーなどによるIMRT(強度変調放射線治療)と比べ、治療期間が短いのがメリットだ。ただし、位置合わせ後に直腸ガスなどの影響によるずれが発生した場合、腫瘍に照射されないばかりでなく周囲臓器に想定以上に照射され、有害事象につながる恐れがある。

そこで同院は3つの工夫を行い、有害事象発生を防いでいる。ひとつは金マーカー留置による追尾照射。事前に留置した金マーカーを数十秒おきに透視で追尾することで、1回の照射中に20回ほど位置の自動補正を行うため、1回の大線量でも極小マージン(範囲)で位置精度が担保できる。

2つ目は直腸と前立腺の間に隙間をつくるスペーサーゲルの留置。直腸と前立腺は近接しているが、ハイドロゲルを用いたスペーサーを留置すれば、間に10㎜ほどのスペースを確保でき、直腸が高線量域に触れないようにすることができる。

金マーカーとスペーサーゲルは腰椎麻酔下で挿入(泌尿器科で1泊入院)、その後、3週間ほど金マーカー位置が安定するのを待ったうえで、放射線治療に移行する。両者とも保険適用だ。

3つ目は治療プロトコルの見直し。治療開始当初は、治療期間を極力短くするため5回の照射を連日で行っていたが、一定数の有害事象が出ることがわかり、隔日照射に変更。連日照射の82例(20年6~11月)では尿閉・血尿に対しカテーテル留置が3例あったのに対し、隔日照射の150例(20年12月~21年8月)では問題となる有害事象はゼロだった。

離島からの患者さんには入院で対応。月曜に入院し火曜に検査を行った後、水曜、金曜、翌週の月曜、水曜、金曜の計5回照射により、2週間の入院で治療が完了する(IMRTの治療期間は約2カ月)。限局性前立腺がんの234例のうち14%に当たる33例が離島からの患者さんだった。

眞鍋良彦・放射線治療科医長は「当院は国産手術支援ロボット『hinoto-ri』を導入しましたが、高齢の方には放射線治療が良いケースもあります。さまざまな治療の選択肢を示すことができるので、今後は前立腺がんの患者さんの紹介が増えると思います」と展望している。

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