徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)04月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1333 3面
「当院リハビリが評価され、うれしい」と松本OT
第22回愛媛県作業療法学会がオンラインで開催され、宇和島徳洲会病院(愛媛県)の松本保洋・作業療法士(OT)が、研究奨励賞を受賞した。テーマは「脳梗塞後遺症により運動失調を呈した患者の農業再開までの過程」。
右視床梗塞で左片まひを呈した症例で、患者さんは段々畑で農業を営んでおり、農業復帰を希望していた。
まず骨盤・体幹機能を軸とする動的安定性の向上と、道具を使用して畑作業が行える耐久性獲得を目標とした。発症から約1.5カ月後に屋内で模擬的な鍬操作やジャガイモ収穫動作を取り入れ、運動イメージをつかむよう促した。約2カ月後にT字杖歩行自立となったため、屋外での畑作業や石段を昇降する実践的な訓練に移行。約3カ月後には備中鍬で1時間の除草作業を行える耐久性を獲得した。
受賞に際し松本OTは「多職種のチームで目標を決めてアプローチした結果、農業復帰に資する機能回復を果たしました。当院のリハビリテーションが評価され、うれしく思います。ここ数年、当院リハビリ科は学術活動に力を入れていますので、私自身も機会があればまた学会発表できればと思います」と意欲的だ。
同院から土居由香里OTも「脳梗塞発症後に自発性の低下した症例が、家庭での役割を再獲得するまで」をテーマに発表した。