徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)04月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1333 3面
白根徳洲会病院(山梨県)は広報マーケティング委員会を立ち上げ、病院のピーアール活動や地域連携を強化している。これまで複数の部署が担っていた広報マーケティングに関する業務を同委員会で一括管理し、新しいアイデアを出しながら一つひとつ丁寧に推進。4月に脳神経外科と外科、麻酔科にそれぞれ常勤医師が入職したことから、地域の医療機関への周知活動に尽力している。
山本事務長(前列右から2人目)と小林室長(その左)らメンバー
広報マーケティング委員会のキックオフ会議の様子
白根病院では、これまで広報誌の作成は地域連携室、ホームページの更新は情報システム管理部、ブログの更新は看護部、人間ドックの営業は健康管理センターといった具合に、広報マーケティングを担う部署が分散。バックアップ体制もないため、活動が停滞している業務もあった。そこで同院は、これらの業務を統括し「広報マーケティング委員会」を発足。同委員会の委員長を務める小林泰彦リハビリテーション科室長(理学療法士)は、4月から地域連携室の室長も兼任している。
小林室長は「本来であれば地域連携室で広報マーケティング業務を一括管理すべきところでしたが、もともとの業務範囲が広く、各部署に任せきりになっていたものもありました。今後も各部署の協力は必要ですが、広報マーケティング委員会でバックアップし、しっかりと地域にアピールしていきたい」と意気込む。
同委員会のメンバーには各部署から、ベテランでも新人でもなく、同院の次代を担う職員を集めた。メンバーは計12人で、「白根病院」=「白根殿」と据え、「多部署連合・白根殿の12人」と名付け結束を固めている。3月22日にキックオフ会議を行い、その後は定期的に会議を開催する。スピーディーな対応が求められる業務もあるため、何かあれば院内メールですぐに情報共有している。
小林室長は「所属長や主任クラスは院内の委員会に参加する機会が多く、他部署と一緒に仕事をすることもあります。広報マーケティング委員会のメンバーは“三番手”の職員で、教育も兼ねていますが、柔軟な発想を発揮し、横のつながりを意識しながら、存分に活躍してもらいたいと考えています」と期待をかける。
今後、同委員会が力を入れていくのは地域の医療機関への訪問。「白根病院に紹介すると戻ってこない」と誤解している医療機関もあることがわかったため、顔の見える関係をより強化し、地域のなかで協力して患者さんを診ていく。また、4月に脳神経外科と外科、麻酔科にそれぞれ常勤医師が入職。その周知に向け、ドクターパンフレットを作成し、訪問活動を積極的に行う計画だ。
山本彰事務長は「近隣の診療所では、初代院長からご子息の二代目院長に代わるところもあり、こうしたタイミングで訪問活動を行うのはとても重要です。二代目の院長は最近まで大学病院などに勤務し、地元にリターンしていますが、このような先生の知識・技術・経験すべてをお借りして、地域医療を守りたい。ゆくゆくは診療所の先生に当院の病床を使っていただける“登録医制度”や、『働き方改革』に向けて“地域全体で医療を支える仕組みづくり”をしたいと考えています」。
同院は昨年、開院20周年を迎え、地域医療へのさらなる貢献を目指している。小林室長は「私は17年前に当院に入職しましたが、その頃は、まだ医師もリハビリセラピストも常勤が少なく、徳洲会グループからの応援で成り立っていました。ようやく病院の体制が整ってきた今だからこそ、地域に貢献するチャンス。そのためにも、しっかりと広報マーケティング活動を推進していきたいと思います」と意欲的だ。