徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)04月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1333 2面

病気のはなし83
長期残存するケースも
新型コロナ罹患後症状

【続報】新型コロナウ感染症の特徴のひとつに、罹患後長く残る症状がある。どのくらいの頻度で残るかは、まだはっきりしていないが、診断/発症/入院後2カ月、もしくは退院/回復後1カ月を経過した患者さん9,751例のうち72.5%に何らかの症状があるという系統的文献レビュー結果がある。また診断6カ月後も525例のうち約10%に何らかの症状があったとの国内の追跡調査報告があり、罹患後症状はレアケースではない。

なかには罹患当初は無症状、もしくはごく軽症だったにもかかわらず、日を置いて倦怠感など症状が強く出ることもあるという。

最も多い症状は倦怠感(40%)で、息切れ(36%)、嗅覚障害(24%)、不安(22%)、せき(17%)などが続く。大部分はその後、改善するものの、なかには長期残存し学業や就業など社会生活に大きな影響が出てしまうこともある。ワクチンを2回接種した場合は28日以上残る症状の割合が半減するとの報告もあり、罹患後症状の予防という観点からもワクチン接種が注目されている。

オミクロン株に罹患後症状が強く出るという報告は今のところないが、症状が比較的軽いと言われる同株であっても、罹患後症状で苦しむ人の報告はあり、そもそも感染しないための対策が重要となる。厚生労働省の事業で、罹患後症状についての診療の手引きが昨年12月に発行され、これまで手探りだった治療法に一定の方針を示している。

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