徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)04月04日 月曜日 徳洲新聞 NO.1332 1面

東海大学医学部付属「大磯病院」
医療法人徳洲会が事業継承
来年3月

医療法人徳洲会(医徳)は2023年3月、東海大学医学部付属大磯病院(神奈川県中郡大磯町)を事業継承する。行政から承認を得た後、医徳は現在地で同院を運営する。これに先立ち医徳は3月18日、同院の職員を対象に事業継承後の運営に関する説明会を開催。医徳の福島安義・副理事長や篠崎伸明・副理事長らが出席し、徳洲会グループの理念や労務環境などについて紹介した。

現在地で地域医療を継続

自然環境に恵まれた立地にある大磯病院 事業継承後の運営に関する説明会には約70人の職員が参加

現在、東海大学医学部は4つの付属病院を有している。1975年2月に医学部付属病院(804床)を神奈川県伊勢原市に開院したのを皮切りに、83年12月には東京病院(99床)を東京都渋谷区に、84年4月に大磯病院(312床)を神奈川県中郡大磯町に、2002年3月に八王子病院(500床)を東京都八王子市に開設した。

このうち大磯病院は南に相模湾と大島を眺望でき、西には箱根連山、その奥には富士山が控えるなど自然環境に恵まれた立地にある。病床数の内訳は一般病床220床、回復期病床32床、地域包括ケア病床60床。医療機器は冠動脈も撮影できるマルチスライスCT(コンピュータ断層撮影装置)や被曝の少ない血管造影装置を配備し、画像診断などに用いている。また、内視鏡検査部門では最新のハイビジョンシステムを導入、悪性疾患の早期診断や低侵襲治療などを行っている。

全23の診療科では各科を専門医が担当。当直医と各科医師とのオンコール体制の下、救急や夜間、休日診療も実施している。とくに虚血性心疾患に対する心臓・血管内カテーテル検査・治療、腹部救急疾患に対する外科手術などは24時間体制で対応。近隣の診療所や高齢者施設とも連携し、開院以来、急性期医療から在宅医療まで、地域の中核病院のひとつとして医療を提供してきた。

しかし近年では、少子高齢化と人口減少などにより、地域での急性期医療を取り巻く環境が大きく変化、今後、経営状況の好転が見込めないとの判断から、学校法人東海大学は同院の全事業を終了し、同じ二次医療圏内にある付属病院(東海大学病院)に、経営資源を集約することにした。

一方、地域医療の継続性の観点から、同大学と医徳は協議を重ねた結果、23年3月1日付で医徳が大磯病院の事業を継承することで合意。行政から承認を得た後、現在地で大磯徳洲会病院(仮称)として運営していく。原則として同院の現行の診療体制は維持する計画で、事業継承後、当面の間は同大学も外来、入院、健康診断などに複数の常勤医師を派遣する予定だ。

職員向け説明会を開催

「現在地に病院が残ることで、患者さんも安堵しています」と島田院長

「現病院の診療体制を維持し地域医療を継続します」と篠崎・副理事長

「皆様がつくり上げた医療を精いっぱい引き継ぎます」と福島・副理事長

看護部門の理念や方針、組織運営などを説明する佐々木・看護部長

医徳は3月18日、同院の職員を対象に事業継承後の運営に関する説明会を開催した。司会は一般社団法人徳洲会(社徳)の川﨑昌樹・人事部部長代理が務めた。冒頭、同院の島田英雄院長は「職員の皆さんには心配をかけましたが、医療法人徳洲会に譲渡ということで方向性が定まりました。患者さんにも『病院がなくならないで良かった』という声をいただいており、私たちも安堵しています」と挨拶。

さらに「本日出席しているのは看護部や診療協力部の職員が中心ですが、生活の基盤がこの地域にあり、別の付属病院に異動するのが難しい方も多いと思います。また、私たち医師は医局からの派遣人事になりますが、院内に知っている職員がたくさんいたほうが働きやすいですし、患者さんも安心すると思います」と強調した。

次に篠崎・副理事長が登壇し「地域医療の継続のために、大磯病院の診療体制の維持を最優先して準備を進めていきたいと考えています。東海大学からのご支援も、末永くよろしくお願いします」と期待をかけた。

福島・副理事長は「皆様方がつくり上げてきた大磯病院を、来年3月に事業継承することになりました。特別に何かを変えるのではなく、皆様がこれまでやってこられた医療を精いっぱい引き継いでいきたいと思います。これは皆様方の協力なしでは実現できません」とエールを送った。

続いて、徳洲会グループを紹介する動画を供覧した後、前もって同院職員から募集した質問にのっとり、川﨑・部長代理が事業継承後の診療体制(診療科目)と救急受け入れ体制、入院体制、コロナ病床の有無、手術室・透析室の運営、電子カルテやシステム関連などについて説明した。

さらに、参加者に看護師が多かったことから、社徳の佐々木和子・看護部長が「徳洲会看護部門紹介」と題し、看護部門の理念や方針、人材育成などについて紹介した。「心に届く看護とは、人間関係を基盤にしながら、専門知識と技術をもって、対象に関心を寄せ、気遣いをもってかかわることです。人の苦しみを分かち合える温かい心をベースにし、患者さん、利用者さんの大切な思いを一番近くで支えています」とアピールした。

最後に、川﨑・部長代理が就業規則や給与規程、労務環境について説明。労務環境では、職種ごとの時間外労働平均時間、有給消化率、平均勤続年数、離職率など数値も示した。今後について、希望者には個人面談に応じることに加え、4~5月に看護部や診療協力部と打ち合わせを行う予定であることを明かし、閉会した。

グループ挙げてサポート

徳洲会グループは“生命だけは平等だ” の理念を掲げ、全国に71病院(計1万7909床)をはじめ診療所、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護医療院、訪問看護ステーション、介護事業所など約400施設を展開する国内最大の民間医療グループ。グループを構成する法人は医徳、8社会福祉法人、学校法人徳洲会、グループの本部機能をもつ社徳とその子会社2社があり、全体の職員数は約3万9000人に上る。

このうち神奈川県内には湘南鎌倉総合病院(658床)、湘南藤沢徳洲会病院(419床)、日野病院(280床)、湘南厚木病院(253床)、大和徳洲会病院(248床)、茅ヶ崎徳洲会病院(132床)、葉山ハートセンター(89床)の計7病院を擁している。また20年4月には湘南鎌倉医療大学を開学。大磯病院の運営にあたっては、県内の徳洲会病院をはじめ徳洲会グループを挙げてサポートしていく方針だ。

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