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徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)03月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1329 2面

ハイブリッド手術室新設
緊急時対応にも活用

ハイブリッド手術室で使用する自走式のX線透視装置 低被曝線量下で高精細な画像取得が可能な320列CT 自動薬剤ピッキング装置「ドラッグステーション」

(1面から続く)
新病院は、新たにハイブリッド手術室を設ける。同手術室は、心臓や脳の血管撮影などに対応した高性能のX線透視装置を配備、カテーテルを使う内科的治療(血管内治療)と外科手術をひとつの部屋で行うことができる。透視装置は自走式のものを導入、体の各部位を撮影する際に、機器を移動させることで適切な角度で撮影可能だ。

加藤一郎・外科部長は「より安全に質の高い治療ができるように、ハイブリッド手術室を新設しました。緊急手術で必要なケースもありますので、地域の方々により貢献できると考えます。今後は、大動脈瘤ステントグラフト(網目状の金属が付いた人工血管)内挿術が始められるように、施設基準を整備していく予定です」と目標を話す。

医療機器では、最新型の320列CT(コンピュータ断層撮影)装置を導入。同機器はAI(人工知能)のディープラーニングを応用した画像再構成技術を搭載、また脳や心臓など臓器全体を1回転で撮影でき、低被曝線量下で短時間のうちに高精細な画像取得が可能となる。骨密度を測定する骨塩定量検査機器も新しい機器を導入。これまでは前腕のみで測定する機器を使用していたが、腰椎と大腿骨(股関節)の2部位で測定可能となり、より精密な結果が得られる。

1.5テスラのMRI(磁気共鳴画像診断)装置も新規導入し、従来装置と合わせ2台体制となる。カテーテル室で使用するX線透視装置も新しく2台導入し、3台体制を実現。緊急時にもスムーズに対応しやすくなり、患者さんの検査待ち時間短縮に寄与する。

新しい医療機器を使いこなすには、スタッフのスキルアップも必要だ。古俣恵美・放射線科副技師長(診療放射線技師)は「導入する機器ごとにメイン担当者を決めて研修していますが、最終的にはスタッフ全員が共有し、高いレベルで機器を活用できるようにしていきます。今後、地域の医療機関から撮影のための紹介があると思いますが、きれいな画像を提供し、期待に応えられるようにしたいです」と意気込みを話す。

薬局には新システムとして、自動薬剤ピッキング装置「ドラッグステーション」をグループで初導入。同装置は常時800~1000の薬品を保持し、処方データに応じ払い出す薬品を自動でピッキングできる。薬剤師が薬品棚の前を動き回ることなく、短時間で正確なピッキングが可能となり、患者さんの待ち時間短縮にもつながる。

尾形勉薬局長は「煩雑な業務を自動化できるぶん、薬剤師は病棟業務が増える予定です。現在の6病棟から新病院では8病棟になりますし、新しく開始予定の化学療法室に加え、手術室やER、HCUへの薬剤師常駐も考えています。薬物療法の提供だけでなく、より医療安全にかかわるようになりますので、薬剤師のスキルアップが欠かせません」と意を固くする。

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