徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)02月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1326 1面

「スペクトラルCT」用い冠動脈検査
少ない造影剤でも高画質画像
千葉西病院が最新世代装置

千葉西総合病院は最新世代のCT(コンピュータ断層撮影)装置である「スペクトラルCT7500」(フィリップス社製)を導入、冠動脈CT検査などに活用している。スペクトラルイメージングという技術により、従来のおよそ半分の造影剤量でも高画質の画像が得られ、高速撮影や被曝量の低減など患者さんの身体への負担も軽減。昨年7月に販売開始された機器で、同院は国内第1期導入施設、東日本では初。同院は診療機能の向上に絶えず取り組んでおり、今後もより多くの患者さんに貢献していく考えだ。

第1期導入施設・東日本で初

「撮影時間が短く造影剤は従来の半分で検査できます」と三角院長

千葉西病院は心臓カテーテル治療件数が12年連続国内トップ。治療件数は年間3000件を超える。2020年5月には敷地内にプレハブ建ての伝染性感染症病棟を開設するなど、新型コロナ患者さんの診療に貢献する一方、感染対策を徹底しながら心臓カテーテル治療の継続に注力している。

心臓カテーテルのスペシャリストである三角和雄院長は「心臓の検査、とくに人間の生死に直結する狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患に関する検査に関しては、①待ち時間なしに、すぐに、いつでも予約なしに施行できること、②検査のためにクリアしなければならない条件が少ないこと。このふたつの要件が重要と考えています」と説明。

虚血性心疾患に対する検査方法は冠動脈CTと心臓カテーテル検査がある。冠動脈CTは入院の必要がなく、より低侵襲かつ迅速な検査が可能だ。同院が心臓カテーテル治療で全国トップを走り続け、コロナ禍にあっても治療件数を落とさず伸ばし続けている原動力のひとつが冠動脈CTと、三角院長は強調する。

心臓分野に強みをもつCTに関して、冠動脈撮影が初めて可能になったモデルである「フィリップスBrilliance 64」(05年発売)や、「フィリップス Brilliance iCT」(128列256スライス、08年発売)を同院は世界に先駆け導入するなど、より良い医療をより多くの患者さんに提供するため、新しい医療機器をいち早く導入してきた。

高速撮影・被曝量低減

「常時デュアルエナジー撮影が可能です」と山﨑・副技師長(右)、橋本慎也・診療放射線技師 腎機能が低下した患者さんにも冠動脈CTが可能

スペクトラルCTも同院は国内第1期導入施設。三角院長は「冠動脈CTは心臓カテーテル検査に代わる画期的な検査ですが、腎機能の悪い患者さんには造影剤を多く使えないため実施が難しいです。不整脈にも施行しにくく、被曝量が多いなどの課題を有していました。スペクトラルCTは撮影時間わずか4秒、造影剤は従来の半分(50㎖→25㎖、最少17㎖でも撮影可能)で、高度の画質を得ることができます。息止めのしにくい高齢の方々、腎機能が中等度に低下した患者さんにも対応可能など、これまでの問題点をほとんど克服できます」とアピール。

現在、スペクトラルCT、128列CT、256列CTと3台の高性能CTを駆使することで、「1日に最大90人まで検査対応が可能」という。

「特別な操作なしで常時デュアルエナジー撮影(高低2種類の管電圧のX線で撮影)が可能です。検出器が2層化されており、一度の撮影でさまざまな解析を行うことができます」と放射線科の山﨑隆広・副技師長(診療放射線技師)はスペクトラルCTの特徴を挙げる。

従来よりも少ない造影剤で高画質を得られるのも、このデュアルエナジー撮影の技術があるためだ。石灰化周辺のアーチファクト(画像の乱れ)低減や、実効原子番号の計測による診断能向上などメリットは大きい。

「世界一受けたい授業」 三角院長が登場!

2月26日(土)午後7時から日本テレビ系列で放送予定の同番組2時間スペシャルに三角院長が出演し、心臓カテーテルについて解説します。

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