徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)12月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1318 1面

日本救急医学会総会・学術集会
徳洲会から55演題
新型コロナ対応など知見共有

第49回日本救急医学会総会・学術集会が11月21日から3日間、「challenge to change─禍難を乗り越えて─」をテーマに都内で開催された。徳洲会グループはシンポジウムやパネルディスカッション、口演、ミニオーラルのセッションで計55演題と多数の発表を行った。全国から集まった救急医療関係者らが知見を共有し研鑽を積んだ。

救急救命士が医師の負担軽減

今年10月の改正救急救命士法施行は、注目テーマのひとつ。改正法により、救急救命士が救命救急処置を実施できる場所が、従来の「病院前」から「救急外来」でも可能となった。

救急救命士による業務負担軽減の定量評価を発表する関根医長

同改正法に焦点を当てたシンポジウムで、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の関根一朗・救急総合診療科医長は「救急救命士が救急外来で活躍する術は救急救命処置のみにあらず」をテーマに発表。同院は2015年に救急調整室を設置、現在14人の救急救命士が勤務。救急搬送受け入れ対応や他院への転院調整・搬送など救急救命士の業務内容に触れ、救急救命士が救急外来で働くことによる医師の負担軽減の定量評価結果を紹介した。

具体的には救急救命士が対応した①救急隊からの受け入れ要請、②同院から他院への転院調整――の各所要時間の1年間の合計を試算。結果、①②の合計は1329時間で、海外の報告によると救急医が1時間で診る患者数は2・48人であることから、医師が3296人の患者さんを診療する時間に相当することがわかった。関根医長は「医師の業務が中断される機会を減少することにも寄与しています。一方で、有効なタスクシフト(業務移管)は施設や地域によって異なるため、救急救命士の働き方を柔軟に検討していく必要があると考えます」と結んだ。

COVID-19診療チームへの救急医参加の利点を強調する小山部長 ハイブリッドER本格稼働のポイントを説明する畑センター長

「救急医はいかにコロナと戦ったか」をテーマとするシンポジウムに登壇したのは湘南鎌倉病院の小山洋史・集中治療部部長だ。「COVID-19中等症に特化した大規模臨時医療施設においても救急医は不可欠であった!」と題して発表。同院は20年5月からコロナ専用の臨時医療施設(180床)の運営を神奈川県から受託している。

小山部長は、救急科専門医を含む多数の医師からなるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)診療チームが、他の専門診療科などと連携して診療を行っていることを説明。同チームの勤務シフトや診療応需の実績、緊急的手技など診療実績を提示し、「救急医が関与することで、24時間365日の入院応需が可能となり、急変対応・重症化対応に強いチームとなります」とアピールした。

「ハイブリッドERを再考する」がテーマのパネルディスカッションでは、宇治徳洲会病院(京都府)の畑倫明・救命救急センター長が「ハイブリッドER(救急外来)システム(HERS)~導入しただけでは使い物にならない~」と題し発表。同院は19年12月にHERSを導入。畑センター長は「HERSの運用は人材確保、資機材管理、診療方針決定など多くの課題があり容易ではありません」と指摘、他施設の参考となるよう本格稼働までの経緯を紹介した。

畑センター長は「20年7月に設立したHERS運営委員会が中心となり、HERSに関する人材確保、資機材・薬剤等の調達・管理方法を検討し、独自のプロトコル(診療計画書)を作成しました。シミュレーションと症例検討会を何度も繰り返すことで本格稼働に成功しました」とまとめた。

このほか、岸和田徳洲会病院(大阪府)や湘南鎌倉病院、札幌東徳洲会病院の救急医が口演を行った。岸和田病院は新型コロナへの対応を中心に5演題、湘南鎌倉病院は急性期在宅医療や産科救急など4演題、札幌東病院は抗菌薬の選択に関する1演題を発表。ミニオーラルでは、初期研修医を含め41人が発表した。

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