徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

田原 英樹(たばらひでき)(出雲徳洲会病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

田原 英樹(たばらひでき)

出雲徳洲会病院院長

2015年(平成27年)7月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.988

自己改革こそ現状を打開する“鍵”
哲学の実現に燃える職員が大好き
自分が変われば職員も徳洲会も変わる

「徳洲会グループは徳田虎雄・前理事長の引退とともに幕を下ろすのではないか。そんな船にいつまでも固執せず、転職を考えないか」と誘ってくれる先輩や同輩がいます。

私の身を案じてくれてのことで、大変ありがたく感じます。しかし、自分は「生命だけは平等だ」という哲学と、それを実現しようと汗水流す職員が大好きなのです。地域の違いはあっても、日本のどこにいても、世界のどこであろうと、また貧富の差があっても、同じような医療が受けられる世界を目指す。これこそが自分の残りの医師人生を賭けるべきものだと思っています。大学時代の同期の満元(みつもと)洋二郎・名瀬(なぜ)徳洲会病院総長に誘われ、徳洲会に入職したのが10年前でした。「そんなところには行くな」と止める先輩もいました。入職当時は、徳田・前理事長の病と戦いながらグループを率いていく姿に感銘を受ける一方、メディカルサービスの利益相反に危惧を感じたため、嫌になればいつでも辞めればいいと気楽に考えていました。

時が経つにつれ、患者さんのために、離島医療のために一生懸命働く徳洲会職員の姿を見て、愛着が湧きました。当院だけではなく、グループ全体をもっと良くするにはどうすればいいのかと考えるようになったのです。

かなり厳しい意見をもらった職員の私へのアンケート評価

しかし、大事なのはグループのことを、とやかく言う前に自分はどうなのかということです。そこで、自分が当院の職員にどのように評価されているのかを確認しようと、各部署の役職者と、ランダムに選ばれた一般職員(誰が選ばれたか知りません)計50人に無記名でアンケートに記載してもらいました。勇気を振り絞って用紙が入った箱を開け、皆さんの書いたものを読んでみると「院長職と外科のかけもちでよく頑張っている」などの良い評価もあれば、「ワンマンである」、「8時会の態度がでかい」、「独裁者みたい」、「気分にムラがあり、対応に差がある」、「職員に対する好き嫌いがわかる」、「決めたことを自分で覆す」、「人を見て対応を変えている」、「なんでもぺらぺら喋(しゃべ)りすぎ」、「進むべき道が間違っている」、「次世代の人を育てられないのであれば、そろそろ引き際では?」など、かなり厳しい評価もいただきました。

それなりに頑張っているつもりでしたが、自らに対する甘えや気付かない部分を指摘され、これではいくら良いことを言っても、人の心に響かないと反省させられました。

当院やグループをもっと良くしたいなら、真剣に自分を変えないといけないと感じました。自分が変われば職員も変わる。そうすれば病院が変わり、グループ全体も変わるかもしれない。これこそが、目の前にある危機を乗り越える第一歩ではないでしょうか。

最近、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』のなかで、吉田松陰が松下村塾の塾生に言った「諸君、狂いたまえ」という言葉が妙に頭にこびりつきました。今こそ身命を賭して、がむしゃらに自分を変える努力をし、患者さんのために働くことが求められていると思います。

グループ前進に向けて描いた〝浴中八策〟は空論ではない

入浴中はいろいろな妄想やアイデアが浮かびます。前回の直言(937号)では〝800病院構想〟という妄言を書きましたが、今回は坂本龍馬の〝船中八策〟(新国家構想)ではありませんが〝浴中八策〟が浮かびました。今後、「生命だけは平等だ」という崇高な哲学を掲げた徳洲会がグレードアップするためには、①患者さん本位の医療をさらに追求する(いつの間にか職員や病院のための医療になっていないか)、②とくに金の流れについては完全に透明化する、③旧体制からの脱却、公益性の高いグループを目指す、④次世代リーダーの教育・育成、⑤患者さんに対して高いレベルで対応している職員への能力給など、頑張った職員への評価と報酬、⑥労務管理の徹底、⑦病院で患者さんを待つのでなく、外に出かけ、さまざまな行事に参加し、地域に溶け込んだ病院を目指す、⑧経費を見直し、できるだけ医業原価を下げるため、機器や材料のさらなる統一を行う。ただし、地元業者からの購入が安い場合は、そちらを優先。

すでに一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長の下で行われつつあることだと思いますが、これらを徹底していけば徳洲会は再び患者さんや地域の信頼を取り戻すことができると信じます。そして徳洲会の哲学が50年後か100年後には世界に広まることを願います。皆で頑張りましょう。

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