徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2015年(平成27年)6月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.985 一面

二日市徳洲会病院
7月に新築オープン
筑紫医療圏 唯一の障がい者病棟

医療法人徳洲会の二日市徳洲会病院(福岡県)は7月1日、新病院で診療を再開する。同院は建物の老朽化から2013年12月末に診療を休止し、跡地で新病院の建設を進めてきた。52床の小規模病院ながら障がい者病棟を有し、神経難病などの患者さんを受け入れ、地域に欠かせない役割を果たしてきた。“断らない医療”を理念に掲げ、内科を中心とする日常診療や在宅医療にも注力していく考えだ。

日常診療や在宅医療も注力

白を基調にした明るくシンプルな外観デザイン 白を基調にした明るくシンプルな外観デザイン

二日市病院は西鉄二日市駅から徒歩4分、JR二日市駅から徒歩7分ほどのアクセス至便な場所に立地。1672.01㎡の敷地に、地上7階、延床面積7171.46㎡の新病院を建設した。

同院の最大の特徴は地域唯一の障がい者病棟だ。人工呼吸器をつけるなど手厚いケアを必要とする神経難病などの患者さんを積極的に受け入れてきた。福岡県内には同病棟の病床数が計4000床程度あるものの、同院が立地する筑紫野市を含む4市1郡で構成する筑紫医療圏では、約43万の人口に対して二日市病院の52床のみにとどまる。

落ち着いた雰囲気の待ち合いスペース 落ち着いた雰囲気の待ち合いスペース

障がい者病棟はALS(筋萎縮性側索硬化症)やパーキンソン病、筋ジストロフィーなど神経難病、重度の肢体不自由者、脊髄(せきずい)損傷の重度障がい者の患者さんなどが入院対象で、これらに該当しない患者さんも一部入院できる。

同院の診療体制は3人の常勤医と複数の非常勤医でスタート。内科、神経内科、循環器内科、消化器内科、心療内科、整形外科、脳神経外科、リウマチ科、リハビリテーション科を標榜(ひょうぼう)する。障がいをもつ患者さんの受け入れに加え、内科を中心に日常診療にも力を入れる方針だ。

北側の病室からは隣接する寺院の風情ある景観を眺めることができる 北側の病室からは隣接する寺院の風情ある景観を眺めることができる

リハビリテーション室、内視鏡室、健診室などを併設。このほか、旧病院にはなかった手術室を1室設け、CT(コンピュータ断層撮影装置)は旧病院時代の機器から入れ替えを行い、16列マルチスライスCTを導入した。

広いスペースを確保したリハビリ室 広いスペースを確保したリハビリ室

状態の安定しない患者さんのためにHCU(高度治療室)7床を設置 状態の安定しない患者さんのためにHCU(高度治療室)7床を設置

今嶋達郎院長は「徳洲会グループは救急医療を中心に“断らない医療”を実践しています。当院も自院の特性に合わせて“どんなに重度の障がいをもった患者さんも断らない”ことを通じ、徳洲会の理念を実現していきたいと考えています」と表明。続けて「今後は日常診療や在宅医療の強化にも取り組んでいきたい」と抱負を語る。

同院は近隣の医療機関などと連携し地域完結型の医療提供を重視。在宅医療に関しては、すぐに在宅療養支援病院の届け出を行い、取り組み強化の姿勢を打ち出す計画だ。

4階建てだった旧病院では病棟が2階から4階までまたがっており、頻回の見回りなどを要する患者さんへのケアを行ううえで利便性を欠いていた。しかし新病院では1フロアの面積を大幅に拡張し、4階病棟に52床を集約。これにより、看護師など医療スタッフの目が届きやすくなり、患者さんの安心・安全の向上が期待できる。

多面的に患者さんを支援

「障がい者病棟の運営をはじめ地域医療に貢献していきたい」と大石事務長 「障がい者病棟の運営をはじめ地域医療に貢献していきたい」と大石事務長

旧病院にはなかった手術室を1室設けた 旧病院にはなかった手術室を1室設けた 新築オープンに合わせて更新したCT 新築オープンに合わせて更新したCT

新築オープンにともない神経内科専門医が常勤医として加わることから、より多様な状態の神経難病患者さんへの対応が可能になる。「病状が進行する前の、より早期の段階から外来診療を通じて介入することができるようになります。外来、入院、そして訪問看護や訪問リハビリなど多面的に患者さんを支援していきたい」と今嶋院長は意気込みを見せる。

小児病棟の重症患者さんが自宅に戻ったり重度心身障がい児施設に転院したりするまでの橋渡しや、在宅療養中の小児患者さんを看護する家族の支援などを行う。小児患者さんに限らず在宅患者さんの状態が悪化した際の受け入れも行っていく。

今嶋院長と山下順子・看護部長が「リハビリに力を入れます」と口をそろえるように、広々としたリハビリ室を3階に構えた。リハビリ室の責任者を務める木村義浩主任(理学療法士)は「当院の患者さんは長期療養が多く、どうしても外出の機会が少なくなりがちです。このため機能訓練以外にも、お花見や散歩、夏祭り、紅葉狩り、野球観戦、映画の上映会など、楽しんでいただけるイベントを大切にしています」と話す。

大石秀樹事務長は「福岡徳洲会病院など地域の急性期病院とも連携をとりながら、障がい者病棟の運営をはじめ地域医療に貢献していきたい」と意欲的。設計からかかわってきた事務部の黒田浩司係長は「長期入院の患者さんが多いため、リラックスしていただけるよう落ち着いた雰囲気の色彩や木目調の内装など、工夫を凝らしました」と説明している。

今嶋院長
「成長し続けていきたい」

「オープン時にはまだまだ建物を使いきれていません。その意味で、人材を含めて成長を続けていかなければならないと、気を引き締めているところです。スペインにある教会のサグラダファミリア(19世紀に着工し今も建設工事中)のように、建物がある限り成長し続けていきたい」。こう話すのは旧病院時代から引き続き院長を務める今嶋達郎院長だ。

二日市病院の強みは、これまで培ってきた障がいをもつ患者さんへの診療・ケアだが、そこにとどまらず、新たに内科を中心に日常診療にも広く対応、在宅医療にも注力していく方針を打ち出した。「当院は高度急性期医療を提供できませんが、これまでの病院運営を通じて蓄積してきた力で、さまざまな患者さんのニーズに応えていきたい」。

同院の正面玄関の脇には大きな楠(くすのき)が生えており、設計や建設会社からは伐採を提案されたものの、「地域の自然環境との調和を大事にしたい」と、今嶋院長は残すことを決断。「病院の景観としてとても良いアクセントになっていると思います」と笑みを浮かべる。

今嶋院長は全職員が力を合わせて地域に貢献していくことを約束。「個々人が自立した職業人として全体のことを考え、“One for All,All for One.(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)”を目標に掲げ、一つひとつ信頼を勝ち得ていきたいです」。同院の新たな歴史がスタートする。

山下看護部長
「ゼロからの気持ちで」

山下順子・看護部長はこれまで長年にわたって福岡徳洲会病院の外科系病棟に師長として勤務。直近では脳神経外科病棟を受けもっていた。昨年9月の同院新築移転ではプロジェクトメンバーの一員として活動した経験をもつ。二日市病院の診療再開に合わせて同院看護部長に就任した。

「福岡病院の新築移転はとても勉強になりました」――。その経験を生かし山下・看護部長は、二日市病院の院内の使い勝手を良くするため、①清潔リネン庫内に病衣や枕カバーの専用棚を配置、②重症個室の入口にカーテンレールを追加、③浴室カーテンの長さを調整――などを提案。実際に採用され、院内の環境向上にひと役買った。

再開が迫るなか「ゼロから新病院をオープンする気持ちで看護部一同臨みたいです。当院看護部は“患者さんの願いを受け止め、その人を支える看護を行う”という目標を掲げました。障がい者病棟では患者さんを断らずに受け入れ、地域から必要とされる病院になれるよう頑張りたい」と意気込みを語っている。

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