2015年(平成27年)4月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.977 三面
地域一丸の防災訓練
松原徳洲会病院
市民参加型も視野
トリアージタグを付け、各救護班のところに搬送した
松原徳洲会病院(大阪府)は多業種、多機関による松原市防災訓練に参加。行政、消防署、警察署、陸上自衛隊、医師会、医療機関、企業、市民など計2000人以上が一堂に会し、地域防災のあり方を考えた。目玉は同市の医療を中心的に担う松原病院、阪南中央病院、明治橋病院の3院と消防署による医療機関連携訓練だ。
松原市医師会の李利彦会長が大震災発生を宣言すると、道路倒壊により多重交通事故火災が発生したという設定で、3院合同の医療班が、まずトリアージ(重症度選別)を実施。緑(軽症)、黄(中症)、赤(重症)のトリアージタグ別の救護班のところにシーツなどを用いて患者さんを搬送した。
赤の救護班に患者さんが集中して現場が混乱すると、松原病院の佐野憲院長が「とりあえず黄色に搬送して」と指示。佐野院長は「一刻一秒を争う災害現場では、まずその場の上級者が指示を出し、それに皆が従うことが大切。指示が間違っていたら後で修正する柔軟性も必要です」と災害対応のポイントを語る。
訓練では救護班で初療を終えた患者さんのうち、重症例を救急搬送するまでの一連の流れを追った。阪南中央病院の大橋一朗・外科部長は「救急車の数も増え、昨年に比べ全体の動きが各段に良くなりました」と満足げ。同訓練をコーディネートした松原病院の西村浩一看護師は参加者数が増加したことに着目し、「訓練を繰り返すことで防災意識が高まってきています」と指摘した。
今回は西村看護師のアイデアで、見学の市民にわかりやすいようインタビュアーを配置し、訓練時の被害状況や救護内容を解説。また、松原病院の大西美由紀看護師らが特殊メイクで打撲や擦過傷を演出し、訓練に臨場感を添えた。
回を重ねるごとに規模拡大している同訓練の目標は「市民参加型訓練です」と佐野院長。見学に訪れた市民からは「子どもたちに体験させたい」といった要望も出ており、今後の活動が期待される。