徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2015年(平成27年)4月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.977 二面

湘南鎌倉総合病院
外傷センター
湘南外傷セミ開催

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)外傷センターは、外傷整形外科領域の看護業務に携わる看護師を主な対象に、基礎知識の習得を目的として湘南外傷セミナーを開催した。

「病棟看護師も適切な看護を提供するには幅広い知識を身に付けておくことが重要」と土田センター長 「病棟看護師も適切な看護を提供するには幅広い知識を身に付けておくことが重要」と土田センター長

土田芳彦センター長をはじめ、同センターに所属し、外傷整形外科を専門とする松村福広・副センター長、村上裕子・副センター長、伴光正医長、白川哲也医長、西田匡宏医長、綾部真一医長、小島安弘医師、佐々木淳医師と多数の医師が講師を務めた。

同院や東京西徳洲会病院など徳洲会グループ病院のほか、関東全域からグループ外の看護師も含め、当初定員の80人を大きく上回る125人が参加し、会場は熱気に包まれていた。山形県や京都府、奈良県など遠方からも熱心な参加者が駆け付けた。

セミナーでは骨幹部骨折、関節内骨折、前腕骨骨折、肘頭骨(ちゅうとうこつ)骨折、膝蓋骨(しつがいこつ)骨折、足関節骨折、大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折、高齢者の骨折、小児の骨折、開放骨折、骨盤骨折など多様な骨折の治療法やその原理などを解説。

また、軟部組織損傷や低侵襲骨接合術、インプラント抜去、多発外傷の取り扱い方、急性期感染、骨髄炎、偽関節の治療、切断指再接合術、皮弁の手術などをテーマに豊富なイラストを用いて講義を行った。

骨折の分類に関しては、世界的に使われている分類方法であるAO分類を綾部医長が説明。骨折の部位や形態で分類するのがAO分類だ。綾部医長は「骨折部分類は予後や重症度を推測し、治療選択の指針となるものです」と重要性を強調した。

定員を大きく上回る125人もの参加者が集まった 定員を大きく上回る125人もの参加者が集まった

骨折の治癒過程を講義した松村・副センター長は、骨折部位に対する固定方法によって骨癒合の形態が決まることを説明。骨折箇所の強力な固定による整復を絶対的安定性の固定法と呼ぶ。この方法だと外仮骨(がいかこつ)(骨折の治癒過程で生じる骨組織)を形成しない直接的癒合を得られる。一方、適度に固定することを相対的安定性の固定法といい、外仮骨を形成、間接的癒合に導くことができる。AO分類に基づき最適な固定法の選択が肝要だ。

土田センター長は「外傷整形外科を中心に扱う看護師向けの勉強会は少ないのが現状です。手術室の担当看護師向けには当院で継続的に勉強会を開いていますが、病棟の看護師向けは今回が初めてです。外傷整形外科の患者さんに接する病棟看護師も、適切な看護を提供するには幅広い知識を身に付けておくことが重要です」とセミナー受講の意義を強調。

今後も同様のセミナーを開催し、看護師のスキルアップに取り組んでいく考えだ。

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