徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2021年(令和3年)9月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1304 三面
利用者さんの夢である淡路島への墓参りを実現
「職員の満足がない組織に、入居者さんの満足は決して得られないと考えます」と木口良章施設長。つまり、自分が働く組織に愛着をもっていないと、入居者さんへのサービスも行き届かなくなるということだ。
そのために実施しているのは、職員に「明確な目標をもってもらう」こと。とくに力を入れているのは、介護士が入居者さんの夢を叶える取り組みだ。木口施設長は「入居者さんにサービスを提供する介護士は、日常会話から"やりたいこと"をよく耳にします。それを皆で実現することができれば、日々の業務にやる気が生まれ、組織への愛着も感じるようになります」と説明する。
たとえ実現するためにリスクがある場合でも、組織ができる限り協力し、そのリスクを回避する方法を考える。たとえば、これまでに実現した夢のひとつに、淡路島へのお墓参りがある。リスクとして「遠方なので何かあった時にどうするか」、「体調が悪くなったらどう対応するか」などが考えられた。そこで、「家族が同行しリスクを共有してもらう」、「看護師が同行して体調管理を行う」など対策を立て、入居者さんの夢を実現した。
施設内で居酒屋を開いたこともある。通常の居酒屋のように10種類以上の料理に加え、ビールや日本酒、ワインなどを用意し、入居者さんは自分が食べたいもの、飲みたいものを選んで楽しんだ。
現在はコロナ禍により、遠方への外出や大勢が集まるイベントはできなくなったが、そのなかでも熱意ある職員を組織がサポートし、入居者さんの夢を実現する方法を模索。入居者さんからの要望が多かった花見では、これまでは全員、同じ日程で実施していたが、今年は感染対策も考慮しユニット単位(10人×5ユニット)で実施日を決めて行った。
木口施設長は「エンゲージメント活動とは、日常での組織への信頼関係の積み重ねだと思います。これからも職員と組織が一丸となり、成長していきたい」と強調。今後の課題として「一定レベルで満足しないこと、マンネリを防ぐことがあります。そのために職員のスキル向上を応援していきたい。ゆくゆくは職員がひとつのチームとなり、どんな困難にも立ち向かっていけるようになりたいです」と意気軒高だ。