徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2021年(令和3年)9月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1304 四面
佐藤守彦
徳洲会感染管理部会部会長、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)感染対策室部長
A. お答えします。
現状ではワクチン2回接種後も引き続き厳重な感染対策が必要です。具体的にはマスク、手洗い、3密はもちろん1密でも避けたほうがいいです。
現在、世界中で流行しているデルタ株は従来株に比べ感染性、重症化リスク、再感染リスクのすべてが高く、今は感染者数が下がってきていますが、感染拡大しやすい冬に向けて警戒が必要です。デルタ株の場合、2回接種済みにもかかわらず感染したブレイクスルー感染者ののどや鼻のウイルス量が、ワクチン未接種者のウイルス量とほぼ変わらなかったという報告もあり、2回接種済みの方から2回接種済みの方への感染すら十分にあり得る状況です。
現在のワクチンは重症化予防の効果は期待できますが、感染予防効果の期待は薄くなってきており、米国疾病予防管理センター(CDC)も5月、2回接種済みならマスク不要と発表したものの、7月下旬に撤回、マスクを推奨しています。新型コロナ感染症は次々と新規の変異株が出てきており、今後もその傾向は続くでしょう。デルタ株に限らず、流行期にはワクチンを打っていても感染対策をしっかり行うことが大切です。