徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

服部 真己(はっとりまさき)南部徳洲会病院(沖縄県) 院長

直言 生命 いのち だけは平等だ~

服部 真己(はっとりまさき)

南部徳洲会病院(沖縄県) 院長

2021年(令和3年)7月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1295

リーダーとして現場の声をしっかり傾聴
最高のパフォーマンスを発揮できるよう
進むべき未来を見据え力を合わせ歩んでいく

「あんた、背が高いねー」。医学生の頃、当院で実習を受けていた時、おばあたちに突然、手を握られ、かけられた言葉です。満面の笑顔と、その場が急に温かい雰囲気に包まれたことを今も覚えています。両親が共働きだったため、おばあちゃん子の私は、こんな優しい笑顔のおじい、おばあに囲まれながら、初期研修できたらと、思いを強くしました。また、先生方が、我々や患者さんにフレンドリーかつ熱心に対応する姿を目の当たりにし、当院での研修に大変魅力を感じました。こうしたことから当院や徳洲会、沖縄に大事なご縁をいただき、とても感謝しています。

研修医として入職後は、臨床に明け暮れる生活を送りました。総合内科、救急内科で、さまざまな症例を経験させていただきました。元来、欲張りな性分のためか、一度でも診療させていただいた患者さんの願いには、できる限り応えました。徳洲会の理念にあるように、患者さんの生命だけでなく生活や健康にも広く対応したいと思いました。

緩和ケア経験し患者さんへの対応へより厚みが出たと実感

しかし、その後、多くの看取りを経験しているうちに、終末期の患者さんと、そのご家族への無力さ、やりきれなさを痛感するようになりました。治療方法がない患者さんに対し、何かできることはないか、悩んでいる時、日本の近代ホスピスの草分けである淀川キリスト教病院のホスピス(緩和ケア)マニュアルに、自分が模索していた答えと、手探りで拙いながらも必死に考え、実践していたことに近似した対応方法を見出し、「間違っていなかった」と大きな勇気とやる気を与えていただきました。その後、緩和ケアに従事するため、一旦、当院を離れ、緩和ケアの道に進みました。

緩和ケアの4年間と在宅診療の1年間はとても充実した日々でした。患者さんやスタッフから病気を治す以外にも、いろいろな目標や希望、安心を患者さんに届けることができることを学びました。徳洲会の理念にある患者さんの(心も含めた)健康と(どんな状況でも、その人らしい)生活を守る医療(病院)という点で、相通じるところがあり、緩和ケアの経験により、患者さんへの対応に厚みが出たと感じています。

医療者として患者さんやご家族の不安、心配を減らし、安心を提供することをつねに心がけています。当院院長に就任し、一番の喜びは患者さんと、ご家族にとても喜んでいただいたことです。初期研修を終え、内科外来を始めた時から診させていただいている患者さんからは「自分の息子のことのようにうれしい」と言っていただき、とても感激しました。

意見を発信し続け他の意見と統合しつつ方向性を指し示す

新型コロナについては現状、相当厳しく、6月にはコロナ病床を30床まで増床しましたが、満床状態が続いています。救急診療は周囲の病院がコロナ対応に追われ、軒並み制限したことから、当院に集中する日が何度もあり、かなり高負荷な状況です。またコロナ病棟により、一般病床数が減少し、一般病床の満床超えが続く日もあります。「総力戦」になってきていますが、際立っているのは看護部を始め検査部門や薬剤部、事務部門など、あらゆる部署の対応力の高さです。この難局から逃げずに患者さんを救いたいという思いの強さ、それを実現するための発想力と、たくましさには頭が下がると同時に、皆さんを心から誇りに思います。コロナとの闘いは続きますが、頼もしい仲間たちと共に必ず乗りきっていけると感じています。

研修医の頃から患者さんを第一にとの気持ちを強くもち続けてきました。時には、その思いが強すぎて現場を困らせてしまうこともありましたが、知恵を絞って前向きに取り組んでくれる多くの職員と一緒に頑張ってきました。また、それを矜持としてもち続けてこられたのも職員たち仲間のおかげです。

今後もリーダーとして現場の声にしっかりと耳を傾け、最高のパフォーマンスを発揮できるよう組織を構築し、支えていくのが大事な職務と捉えています。自院の進むべき未来を見据え、力を合わせ歩んでいけるよう、意見を発信し続け、他の意見と統合しつつ方向性を示していくことも重要と考えています。まだ力不足ですが、少しでも、ふさわしくあるよう目いっぱい、精進してまいります。

皆で頑張りましょう。

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