徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)7月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1295 一面

大垣病院 人工膝関節でロボット支援手術
ドリル回転数制御など高い性能

大垣徳洲会病院(岐阜県)は人工膝関節置換術の手術支援ロボット「NAVIO」を導入した。これは術中に赤外線カメラと赤外線反射マーカーにより、膝関節の骨や靱帯の構造を立体評価し3D画像化。インプラント(人工膝関節)に置き換える際の削る骨の量や位置を視覚的に示すことで、患者さん一人ひとりの靱帯とのバランスを考慮した手術計画の作成に寄与する。さらに手持ち式のサージカルドリルの回転数がロボット制御でき、削るべき位置以外ではドリルの回転が停止するなど、これまで以上に安全で精度の高い手術が可能となる。徳洲会グループで初、全国でも限られた施設のみが導入。

徳洲会グループ初の導入

「満足度の高い手術を目指します」と小川センター長

加齢にともない膝関節の軟骨がすり減ることなどによって発症する変形性膝関節症。進行すると痛みが強く、日常生活に支障を来し、外出・活動の意欲を削ぐなどQOL(生活の質)の大幅な低下を招く。保存的治療では効果が得られなくなった場合、外科的に人工膝関節置換術を行うことが治療の選択肢となる。

大垣病院関節疾患・人工関節センターの小川寛恭センター長は「術後に歩行動作を行う際の違和感をできるだけ減らすには、靱帯とのバランスを考慮した人工膝関節置換術を行うことが求められます。これまでは医師の経験が頼りでしたが、導入した手術支援ロボットでは3D画像で視覚化された手術計画をもとに、1人ひとりの患者さんの筋肉や靱帯の構造に合わせてバランスを微調整できます。また、削るべきではない位置では、ドリルの回転が自動で停止する安全装置も備わっています。従来のナビゲーションシステム以上に、質が高く高精度な手術に寄与します」とアピール。

プローブ付きのサージカルドリルで膝関節をなぞり、位置情報をロボットに登録する小川センター長(右) 削るべき骨の位置を色付きで表示。ドリルの回転は自動制御され、色のない位置では自動停止

手術では、まず膝の皮膚を切開し、膝関節まで達した後、赤外線によって空間内の位置を認識するプローブ(探針)が付いたサージカルドリルで骨の表面をなぞる。これにより膝関節や骨の形状を認識し位置情報を登録。3D画像が作成され、術者はその画像を見ながらインプラントのサイズを決定するなど手術計画を立てることができる。

膝関節には大腿骨と脛骨をつなぐ前十字靱帯と後十字靱帯がある。前後への運動などに対する膝関節の安定性を保つうえで欠かせない靱帯だ。人工膝関節部分置換術では、これら靱帯の温存が可能だが、全置換術では難しいことが多々あった。変形性膝関節症はもともと靱帯が傷んでいるケースが多いが、手術支援ロボットを用いることで、全置換術の2割ほどの症例で前十字靱帯を温存できるようになったという。登山やテニス、スイミングなどスポーツを行う活動性の高い方々には、とくに朗報と言える。

「当院では質の高い手術を行うために新しい技術を取り入れ、一人ひとりの患者さんに適した満足度の高い手術を行うために尽力しています。また、この手術支援ロボットを用いることで、従来以上に術後に違和感がない人工膝関節置換術が可能となりますので、術後のリハビリテーションもスムーズに取り組むことができ、早期の社会復帰が期待できます。人工膝関節全置換術は国内で年間約10万件行われており、変形性膝関節症の潜在的な患者数は2500万人とも言われています。関節疾患でお悩みの方はぜひご相談ください」(小川センター長)

同院は2020年4月に大垣市内で初となる関節疾患・人工関節センターを開設。膝関節・股関節・肩関節など、さまざまな疾患に対し、体への負担が小さいMIS(最小侵襲手術法)を積極的に採用するなど、専門的な診療に取り組み、患者さんのQOL向上に貢献している。人工膝関節置換術は年間130~150件実施。同ロボットは昨秋導入した。

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