徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

福島 安義(ふくしまやすよし) 一般社団法人徳洲会 副理事長

直言 生命 いのち だけは平等だ~

福島 安義(ふくしまやすよし)

一般社団法人徳洲会 副理事長

2020年(令和2年)12月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1267

遠方の家族や近所との交流が難しいなか
電話訪問で安否確認を行う試みなど模索
誰にも見守られず寂しく亡くなってゆく方が激増か

まず初めに、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、患者さんのために奮闘していただいている徳洲会グループの皆様方に、執行理事のひとりとして、心から感謝の意を表します。新型コロナウイルス感染症は、全国に広がり、増加こそすれ減少する気配がありません。感染者が1日3000人を超えるようになりました。厚生労働省の発表によると、12月14日現在、入院を必要とする感染者数は2万5672人、そのうちの重症者数は588人です。同日の徳洲会グループの新型コロナウイルス感染症の入院数は331人、人工呼吸器を装着している方が21人、ECMO(エクモ)(体外式膜型人工肺)装着者が2人です。全国の入院を必要とする患者さんの約1・3%、重症者の約4%の方が徳洲会グループ病院に入院されています。

感染の疑いのある入所者さん 親病院はPCR検査積極的に

こうしたなか、あちこちの医療機関でクラスター(感染者集団)が発生し、地域によっては医療崩壊と言えるような状況に追い込まれています。徳洲会でも複数の病院でクラスターが発生しています。最大32人のクラスターが発生した病院もありますが、機能不全となる前に何とか収束させることができました。今は、いつどこで感染してもおかしくないという状態です。どうか皆様、今まで以上に感染防御に気を配っていただきたいと思います。たとえば病棟や施設内の休憩室などで、休憩していただくのは問題ありませんが、マスクをはずして大きな声で話をしたり飲食したりしないでください。もし、そのなかに感染している方がおられた場合、そこにいた全員が濃厚接触者ということになり、感染していなくても全員が2週間の自宅待機を余儀なくされます。そうなると、その病棟や施設は機能低下を引き起こし、ひいては病院・施設全体が機能不全に陥りかねません。また、体調不良の方は遠慮なく申し出ていただき、積極的に検査を受けてください。

徳洲会の介護施設でも感染者が発生しています。介護施設にウイルスが入り込むと、闘うすべがありません。介護施設の職員の皆様が定期的にPCR検査を受けられるよう、徳洲会感染管理部会や検査部会の協力の下、そのためのシステムを構築しました。徳洲会の介護施設はすべて親病院が決まっています。親病院は、感染の疑いのある入所者さんが外来を訪れた時には積極的にPCR検査を行ってください。介護施設の方々が感染すると、重症化することが多く、とくに認知症専門棟の入所者さんが感染した場合、病院への入院が難しくなり、行き場を失ってしまうこともあります。

長期戦に備え3チーム編成しローテで対応することを思案

この感染症との闘いは、本格的な冬を迎えるにあたり、長期戦になると考えます。感染症と向き合う日々は、医療者にとって神経をすり減らす厳しい闘いです。長期戦に備え感染症に向き合うチームと、次を見据え準備するチーム、比較的感染症から遠い職場にいるチーム――この3チームを編成しローテーションを組むことができないか思案しています。病院・施設の規模、医療・介護の内容が異なりますので、一概には言えませんが、病院・施設の幹部の皆様には、職員の状況に目を配りながら、長期戦に向け備えていただきたいと思います。職員が心理的に追い込まれないように、電話相談窓口も設置していますので、職員に知らせていただきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症は社会のありようを変えてしまうのでしょうか。確かに、今までにはない形で在宅勤務などが普及し、地方にいても勤務可能となれば、社会は少しずつ変化してゆくでしょう。しかし、今、懸念されるのは地方で孤独死が激増しているのではないかということです。共愛会病院(北海道)では、警察からの照会がこれまで1年間で4件程度でしたが、今年度は8カ月で11件と激増しています。遠方の家族や近所との行き来が制限され、誰にも見守られず、ひとり寂しく亡くなってゆく方々に対し、何か手段を講じられないかと思います。病院にかかっていた方々ですので、何らかの方法があるのではないでしょうか。私たちは救急来院し、入院とならずに帰られた方々に、電話訪問をしています。この電話訪問を、予約していながら来院されなかった方々に対し、試みることを考えています。

皆で頑張りましょう。

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