2020年(令和2年)9月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1254 三面
湘南鎌倉病院
湘南心臓血管外科グループ
初めてNPを配属
湘南鎌倉病院心臓血管外科のスタッフ。後列左から2人目が片山・統括部長、前列中央が今井NP
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は、湘南心臓血管外科グループで初となる心臓血管外科専属診療看護師(NP)を配属、診療の質や患者満足度の向上に努めている。
心臓血管外科に配属されたのは今井尚美NP。3月の認定試験に合格し、総合内科で研修後、7月から心臓血管外科に配置された。
「患者さんをアセスメント(評価)する能力を伸ばすため、専門的に学んでみたいと思いNP資格を取得しました。今後は医師の視点や考え方を学び、専門的な知識を身につけ、看護や患者管理、退院後の生活も見据えた患者さんとご家族とのかかわりにも生かしていきたいと思っています」(今井NP)
今井NPは術後の患者さんのケアを行い、状態の些細な変化に目を光らせ、必要に応じて医師に相談。医師の直接指示の下、傷の処置やドレーン抜去など医療行為や治療を行っている。医師による回診にも同行し、時には手術にも参加。病棟看護師や他職種と協働し、医師との橋渡し役をも担う。
同院心臓血管外科の片山郁雄・統括部長(兼湘南藤沢徳洲会病院心臓血管外科部長)は「NPの配置は数年前から切望していました。今回、篠崎伸明院長、八木沼正子・看護部長のご理解の下に実現しました。術後管理の精度が高まり、異常の早期発見に寄与することで、合併症や急変の予防、早期退院が期待できますし、何より看護師さんのきめ細かい気付きで、患者さんの不安や疑問なども傾聴してもらえ、明らかに患者さんの満足度が向上、チームのなかでの役割は大きいです」と指摘。
続けて「タスクシフティング、タスクシェアリングが進み、医師がより手術に専念できるようになり、専攻医の研修環境、労働環境も改善しました。患者さんに大きなメリットが見込めますので、徳洲会グループ全体でNPが増えることを望みますし、将来的にはPhysician Assistant(PA)の創設も視野に入れています」と意欲的だ。