徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)9月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1254 三面

オンライン糖尿病教室
八尾病院 多職種が専門性生かす

八尾徳洲会総合病院(大阪府)は糖尿病教室をオンラインで初開催した。同院は多職種の専門性を生かし定期的に糖尿病教室を開催、患者さんやその予備群に向け情報発信や啓発活動に積極的に取り組んでいる。今年2月に対面式で開催以降は、コロナ禍により3~5月は中止、感染者数が減少した6月に再開したものの、7月に再び中止。糖尿病教室は安定して一定のニーズがあることから、継続的に開催できる方式として8月21日にオンライン化に踏みきった。ビデオ会議システム「Zoom」を活用している。

オンライン医療講演を配信する様子。糖尿病教室もZoomを使い同じ形式で実施オンライン医療講演を配信する様子。糖尿病教室もZoomを使い同じ形式で実施

八尾病院は7月以降、医療講演全般をオンライン形式に移行し実施している。地域の方々に対して、健康管理に資する医療情報を発信することは、地域の中核病院として大切な活動のひとつ。新型コロナウイルス感染症の収束が見とおせず、感染拡大防止の観点から対面式での開催が難しいなか、人と人との接触を回避できるオンラインでの開催に切り替えていった。オンライン医療講演を参考に、糖尿病教室もZoomを使って開催することにした。

今回のオンライン糖尿病教室で講師を務めたのは、リハビリテーション科の服部玄徳・理学療法士(PT)と、薬剤部の栗野大輔副主任(薬剤師)。

服部PTは「運動療法 実践編~有酸素運動について~」をテーマに講演。はじめに有酸素運動の定義に言及し「持続的かつ反復的に主要な骨格筋を10分間以上動かす運動」と説明。心肺機能(体力)を向上させる運動と紹介した。

「有酸素運動には、大量のエネルギー(ブドウ糖)を体内で消費するため血糖値を下げる効果があります。食後30~120分の間の運動は、食事による急激な血糖の上昇(食後高血糖)を抑える効果があります」(服部PT)

運動の強度や継続時間などもアドバイス。ウォーキングであれば1分間に100歩のペースを目安に挙げ、「できれば20分以上継続するのが効果的ですが、細切れの運動でも血糖を下げる効果は期待できます」。毎日行うのが理想だが、難しい場合は週3~5回程度、時間にして週150分以上を目標に挙げた。このほか、運動時の3密回避や熱中症予防のポイントも紹介した。

栗野副主任は「糖尿病の薬について」をテーマに講演。まず、インスリンが血糖値を下げる働きや、反対にインスリンの作用が弱くなり血糖値が下がりにくくなる状態を解説。次いで、飲み薬と注射薬を紹介した。

「飲み薬にはインスリンの効きをよくする薬や、インスリンの分泌を促進する薬、糖の消化・吸収を抑える薬、尿と一緒に糖を排出させる薬があります」(栗野副主任)

この後、注射薬のインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬に触れ、打ち方や注意点などを列挙。最後に低血糖の症状や対処法などを説明した。講演終了時にはZoomのチャット機能を用い、文字を介して質疑応答を行った。新型コロナウイルスの感染状況に応じて、当面は糖尿病教室、医療講演ともにオンラインで開催していく。

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