2020年(令和2年)9月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1252 二面
病気のはなし㉖
10月中のワクチン接種推奨 インフルエンザ
今年のインフルエンザ治療戦線は例年以上に厳しくなる予想だ。インフルエンザの流行時期は冬の初めから春先。症状は突然の発熱、頭痛、咽頭(いんとう)痛、関節痛、全身倦怠(けんたい)感、そして後からせき、鼻水などの症状が現れるのが一般的だが、発熱や全身倦怠感、せきなどの症状は新型コロナウイルスの症状と重なり、どちらに罹患(りかん)したのか判断が難しいからだ。
「すべての医療機関でインフルエンザとコロナ両方の検査ができるのが理想ですが、現実には、その体制は整っていません」と指摘するのは徳洲会新都心クリニック(沖縄県)の鈴木五三男院長。両疾患に同時に罹患することもあり得るため、「感染対策をしっかり整えた医療機関以外では、インフルエンザ検査は、かえって医療機関側のコロナ感染リスクを高める可能性があります」(鈴木院長)。
このため地域の感染状況によっては、インフルエンザの疑いが濃厚の場合、検査なしでタミフルやイナビルなどインフルエンザ治療薬を投与する可能性もあるという。こうした状況で重要になるのが予防だ。鈴木院長は「今年は、できるだけ多くの方々に早めにインフルエンザワクチンを接種していただきたい」。とくに13歳未満の子どもは2回接種が必要で、1回目と2回目の間は最低2週間、空ける必要があるため、「ワクチン解禁となる10月中に少なくとも1回は受けて」と呼びかけている。