2020年(令和2年)7月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1245 四面
5Gで遠隔診療が充実
次世代の移動診療車
オンライン診療など、広がりつつある遠隔医療。それを支える移動通信システムで、次世代となる5Gが間もなく本格的にスタートする。4Gよりも①高速・大容量、②高信頼・低遅延、③多様な端末の同時接続――を実現する通信が可能になり、医療界でも期待は高い。
医療での5G応用に積極的に取り組んでいる企業のひとつがNTTドコモ。2017年度からへき地の遠隔診療や救急搬送の高度化、移動診療車による妊婦健診などを多様な医療機関と連携して行い、とくに5Gを医師同士の連携に応用。同社の5Gイノベーション推進室の奥村幸彦部長は「医師が患者さんを直接診断する現在のオンライン診療への応用は4Gでもおおむねカバーできる」と指摘し「画像情報などを4Gの10倍近い高速・高画質・大容量で送受信可能な5Gは、医師同士が連携したさらに高度な遠隔診療に適していると思っています」と説明する。
治療室を搭載する拡幅機能付大型車両。写真下は汎用性も考慮した医療機器の車内搭載例
とりわけ注力しているのが、複数の医療機器を搭載し、それらを統合する形で専用の5G端末を介してネットワーク接続する「次世代移動診療車」だ。高機能救急車/ドクターカーから地域での巡回診療/妊婦健診を可能とする中型車両、より高度な治療に対応する大型車両まで、5Gを応用した共通コンセプトのもと、診療科/診療シーンに合わせて柔軟に展開可能な移動診療車を構想。車両内の各種医療機器や付帯設備から高精細画像など多様な医用情報が、5Gネットワークやクラウド越しに遠隔地で支援する医師との間でやり取りされる高機能なモバイル診療室/治療室を目指す。
奥村部長は段階的に実証実験を進める考えで、「関連する法制度の整備が前提となりますが」と前置きしながらも、「次世代移動診療車が離島・へき地、災害現場などに赴き、別の場所にいる専門医のアドバイスなどを受けながら診療できるようになれば、より広いエリアでタイムリーに高度な医療を提供できます」と抱負を語る。