2019年(令和元年)11月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1212 四面
災害関連死を出さない!!
沖永良部病院が2回目のBHELP
インストラクターは渡慶次部長(右から3人目)、徳洲会グループ外の医師、看護師、薬剤師、大学助教ら
沖永良部徳洲会病院(鹿児島県)は11月3日、院内でBHELP(Basic HealthEmergency Life SupportFor Public)を開催した。5月に続き2回目。
BHELPは日本災害医学会が考案した保健・医療・福祉関連業務従事者向け教育プログラム。災害時に避難所の活動を効果的・効率的にサポートすることで、災害関連死(避難所での感染症やエコノミークラス症候群などによる死亡)の防止を目的としている。今回は同院の職員をはじめ島内の医療・介護施設、行政の各職員ら36人が参加。なかでも、行政では和泊町に加え、初めて知名町の医療職の資格をもたない職員が出席した。
冒頭、3月まで院長を務め同ブログラムのインストラクターの資格をもつ中部徳洲会病院(沖縄県)の渡慶次賀博・呼吸器内科部長が挨拶。直近の台風19号など、近年、想定外の自然災害が発生し、救急救命処置だけでなく避難所の運営の重要性が増している点を指摘した。
グループワークで協議する参加者。地域の防災に対する意識付けと連携強化も
プログラムは渡慶次部長をはじめ徳洲会グループ内外のインストラクターによる講義と、多職種によるグループワークで構成。参加者は、自分の命を守る大切さやトリアージ(緊急度・重症度選別)など災害対応の基本はもちろん、災害関連死を招きやすい要配慮者(高齢者や乳幼児など)への対応など、避難所での具体的な対応について、ディスカッションを交えながら学んだ。最後に筆記テストを行い、全員が修了証と認定証を手にした。
和泊町役場の津田美穂・保健福祉課和泊町保健センター管理栄養士は、「初めて災害時の対応について学びました。昨今、全国各地で起こっている自然災害をテレビなどで見て『もし地元で起こったら……』と不安でしたが、BHELPを通じて災害時のイメージや備えの重要性が理解できました」と満足げ。「グループワークで自分とは違う意見や考え方を知り、災害時は迅速かつ臨機応変に対応できたら良いと感じました」と振り返った。
渡慶次部長は「徳之島、与論島など近くの島の方も受けられるようにしたい」と、今後も開催する意向だ。