徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

保坂 征司(ほさかせいじ)(宇和島徳洲会病院院長(愛媛県))

直言 生命いのちだけは平等だ~

保坂 征司(ほさかせいじ)

宇和島徳洲会病院院長(愛媛県)

2019年(令和元年)6月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1188

離島・へき地医療は患者さん・病院・
医療者のwin-win-winの関係が大切
若手医師からもっと自主的支援を得るため努力

4月1日に宇和島徳洲会病院の院長に就任しました。私は福岡県久留米市出身で熊本大学を卒業後、同大学外科の医局に入局。2009年から約6年間は、福岡徳洲会病院に勤務し、時々、宇和島病院に応援で訪れていました。いったん、徳洲会を離れましたが、同院の貞島博通(さだしまひろみち)総長からの熱心なお誘いを受け、この2年間は毎月、手術応援に来ていました。そんな折、院長就任の話をいただきました。

「好きにやったらいいよ」という何とも心の広すぎる“貞島節”と、「思いっきり先生らしくやったらいいよ」という一般社団法人徳洲会の安富祖(あふそ)久明・副理事長の激励を受け、私なりに頑張ってみようと決意。さらに年末の多忙な時期にもかかわらず、時間をつくっていただいた鈴木隆夫理事長からも「よろしく頼むよ」と励ましの言葉をいただきました。宇和島での生活も早2カ月が経過。穏やかで勤勉な“ 南予(なんよ)気質”の職員の頑張りで、当院が成り立っていることを心強く感じつつ、充実した日々を過ごしています。

徳洲会復帰の理由のひとつ 離島・へき地医療への思い

私が徳洲会に復帰した理由のひとつに「また離島・へき地医療に携われたら」との思いがありました。貞島総長は常々「当院も人が足りないけど、もっと困っている所があるから、そこを何とかしたいんだ」と話されます。福岡病院時代、私は手術応援で時々、喜界徳洲会病院を訪れました。離島・へき地医療は、患者さん、病院、そして、患者さんに当たり前の治療を提供できる喜びを感じる医療者の私、この三者のwin-win-win の関係が大切だと実感しました。

治療のために、ご家族と島を出ることが経済的に困難な方もいます。島外で治療を受けるために土地を売ったという患者さんの話も耳にしました。

院長就任前の3月下旬、いくつかの離島病院を訪問しました。あくまでも外科の話になりますが、ある病院は鹿児島本土の病院に患者さんを送らざるを得ない状況にあり、また、ある病院は離れた場所にある奄美大島の名瀬徳洲会病院に基本的に送ることになっていました。

離島・へき地での外科手術には多くの問題があります。全国的に外科医が不足している昨今、当然、離島・へき地も厳しい環境にあります。誰が手術適応を診断するのか、麻酔はどうするか、術後管理は誰がみるのか――。手術の集約化という選択肢も正解かもしれません。しかし、低・中難易度の予定できる手術くらいは、どうしても自分の生活圏内で受けたい、または受けざるを得ない患者さんがいて、そこに徳洲会病院があるのであれば、手を差し伸べるのが徳洲会の姿だと考えます。

「こんな医療が経験できる」ポジティブキャンペーン展開

以前から私は、離島・へき地への応援が若い先生方にとって、やや消極的なものになっているのではないかと感じています。研修医時代を含め若い先生方に離島・へき地へ「行かされる」と思わせるのではなく、「あそこには、こんな美味しいものや素敵な風景があって、こんな医療を経験できるよ」といったポジティブキャンペーンを先輩たちが積極的に行う。一方、受け手側である離島・へき地病院の医師や職員は「またここに応援に来たい」、さらには「ここに住みたい」と思えるような環境を整える努力を地道に行うことで、若い先生方の支援がもっと自主的になると思います。

実際、徳洲会病院が立地する離島・へき地には観光地が多くありませんか。医師に限らず離島・へき地での経験や出会いは、きっと職業人としても、人としても大きな成長の糧となり得るのではないでしょうか。

勝手なことを述べさせていただきましたが、ご批判も含め議論のきっかけになれば幸いです。

何よりも私自身、当院がより地域に必要とされ、患者さんや職員が集まる病院になるよう、微力ながら頑張る所存です。

最後に、宇和島は釣りのメッカで、戦国時代後期に名を馳せた伊達家ゆかりの地でもあり、歴史的にも趣のある風光明媚(ふうこうめいび)な街です。当院のすぐ前には宇和海(うわかい)が広がり、病棟からふと視線を窓の外に向けると、夕陽がキラキラと反射する黄金色の凪(な)いだ水面に心が癒やされます。「人良し・食良し・景色良し」の宇和島を当院のホームページ、ブログで随時紹介しています。きっと一度は訪れたくなると思います。一度きりの人生、明るく、皆で頑張りましょう。

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