徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)6月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1188 三面

井上・千葉大学附属病院副病院長
理想と現実考え戦略
病院経営をテーマに講演

徳洲会グループ5月度医療経営戦略セミナーが6月1日から2日間、千葉県内で開かれ、初日に千葉大学医学部附属病院の井上貴裕・副病院長兼病院経営管理学研究センター長が講演した。テーマは「医療政策の方向性を踏まえた戦略的病院経営」。

井上・副病院長はわかりやすく解説 井上・副病院長はわかりやすく解説

井上・副病院長は冒頭、病院機能別収支状況を提示し、とくに急性期病院の経営環境は厳しく、今後もしばらくは同様の傾向が続くと指摘した。そのうえで入院医療、外来医療について言及。入院医療では、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟(床)が評価される傾向を示し、経営を支援した病院で病棟の一部を、それらに転換し経営が改善したケースを紹介した。

急性期一般病棟については、昨年4月の診療報酬改定で入院料の施設基準である「重症度、医療・看護必要度」が見直され、より急性期の患者さんに対応しているケースが評価された点を指摘。

看護必要度の特徴として、①おおむね入院初期の患者さんのほうが高い、②救急(とくに救急車搬送)患者さんのほうが予定入院患者さんよりも高い、③手術(とくに全身麻酔)患者さんが高い――ことを示した。

また7対1看護配置基準の病院で平均在院日数を短縮すると入院診療単価が上昇するデータを示しながら、「救急搬送と予定手術のバランスを考えながら早く帰すことが重要」と説明した。将来的に急性期の患者さんの評価指標が「重症度、医療・看護必要度」から変わる可能性も示唆した。

救急患者さんのスムーズな受け入れ、平均在院日数の短縮などを実践するために、入退院支援の重要性も指摘。入院前から退院をイメージして患者さんをサポートする大切さを訴えた。また、予定入院患者さんの円滑な入院にもつながるとして、「マンパワーが少ないことから、入院を敬遠しがちな週末の病床稼働率の向上」も期待できる点を強調した。

このほか、DPC(診断群分類別包括評価)にも触れ、「平均在院日数が長い病院や、医療密度が低い病院など」は今後、外される可能性を示した。

外来医療については、機能分化の一環で診療所など中小規模の医療機関が“かかりつけ医”機能を担うとし、「地域の拠点となるような病院は縮小・専門特化していくイメージ」と指摘。病院にとっては「とくに逆紹介が大事」と訴えた。

講演中、井上・副病院長は随時、徳洲会グループ病院や今まで経営にかかわった病院のデータを提示。「自院の“なりたい姿”、地域医療のあり方を考えた“なるべき姿”、そして現状をふまえた“なれる姿”を総合的に判断して“目指すべき姿”を明確にし、戦略を策定することが求められます」と締めくくった。

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