徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

野口 修二(のぐちしゅうじ)(山川(やまがわ)病院院長(鹿児島県))

直言 生命いのちだけは平等だ~

野口 修二(のぐちしゅうじ)

山川(やまがわ)病院院長(鹿児島県)

2018年(平成30年)11月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1161

小規模病院として生き残るには
積極的に院外へ出向き地域貢献
安定経営の大切な要素は病院の外にある

山川(やまがわ)病院は2006年9月、山川クリニックと、同じ南薩(なんさつ)保健医療圏にあった徳洲会グループの岡元内科病院が合併して誕生しました。

1997年から2003年にかけて、同一の医療圏内にクリニックを中心として徳洲会グループ7施設が開業しましたが、当院はクリニック時代を含め、その中心的な施設として運営を行っていました。

グループのほかの施設と連携するなかで、経営的には、それほど苦労なく運営できていたと思います。しかし、それぞれの施設が経営不振のため閉鎖し、現在は当院と開聞(かいもん)クリニック、生見(ぬくみ)クリニックだけとなってしまいました。その影響は、やはり大きく、当院も徐々に経営が困難となってきました。

全員参加の病院運営を推進 他施設での医療講演も開く

こうしたなか、経営改革の一環として、全員参加の病院運営を推進するため、朝礼や8時会などの場で、職員に病院運営に対する積極的な参画をお願いしました。そのかいもあり徐々に経営を改善していくことができるようになりました。

しかし、インフルエンザや感染性胃腸炎の流行、近隣病院の閉鎖など、偶発的な要素による“追い風”で救われている部分も多く、まだまだ不安定な状況と言わざるを得ません。

今後、厳しい経営環境のなかで、小規模病院が生き残るために何かを行う必要があると感じています。安定した経営を行ううえで、大切な要素は病院の中だけでなく外にもあります。新規の入院患者さんを確保するために、グループ外の施設の情報を得たり、当医療圏外のグループ病院・施設との情報交換・共有を行ったりすることなどが課題と考え、当院職員が他施設に出向いて行う医療講演を積極的に実施するようにしました。

15年からは一般の方を含め、地域の公民館などで一次救命処置法(BLS)の講習会を定期的に開いています。講師を務めるのは、TCLS(徳洲会二次心肺蘇生救急教育)コースを修了した当院の看護師です。

中学生を対象にBLSを実施 高校看護学生実習受け入れも

昨年からは地元の中学生を対象としたBLS講習会をスタート。指宿(いぶすき)市立山川中学校では2年生の全生徒を対象に実施しました。同校では2年生の保健体育の授業で救命処置を学ぶ座学のカリキュラムがあるものの、実習の時間がありません。実際に救命処置を要する場面に遭遇した場合には、事前に実技訓練を受けておくことが望ましいことから、講習会の開催を依頼されました。

生徒たちは、初めて使用するAED(自動体外式除細動器)や人型のシミュレーター(医療訓練用人形)にとまどいながらも真剣に取り組んでいました。

加えて、指宿市が運営する恒例の「いぶすき菜の花マラソン」では救護班として参加。参加者が約2万人に及ぶため、けがなどで救護所を訪れる人は少なくありません。傷病者がいると連絡が入れば、現場に駆け付けたりもしています。過去、大雨が降った大会では、50人近い低体温症のランナーを当院で受け入れた例もあります。

県内にある高等学校看護学科の学生実習の受け入れにも取り組んでいます。学生の指導を通じて、新鮮な気持ちになったり、自分たちにとっても学びの機会になったりしています。この学生のなかから、当院で仕事をする人が出てくるのではないかと期待しています。

こうした地域での活動に加えて、病院を支えてくれている健康友の会との関係強化も、今まで以上に取り組まなければなりません。友の会は、私が当院に赴任し、すぐに立ち上げた組織で、今年で21年目になります。年々、高齢化とともに会員数は減少していますが、当院をご理解いただいている大切な方々です。今後、会の発展を考えることが、とても重要なことと感じています。

今年に入ってからは、市民楽団である指宿吹奏楽団を招き、当院初の院内コンサートを開催。1階ロビーに約50人の患者さんやご家族が集まり、大変盛況な会となりました。今後も、こうした癒やしのひと時を提供していきたいと考えています。

小規模病院であっても、医療機関という公的な施設として、地域への貢献や奉仕は重要です。職員とともに取り組み、当院を、そして地域を盛り上げていきたいと思います。

皆で頑張りましょう。

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