2018年(平成30年)9月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1151 二面
脳卒中診療の質向上
湘南鎌倉総合病院
大磯セミ2018
湘南鎌倉総合病院 ( 神奈川県) 脳卒中センターは「脳卒中治療研究会 大磯セミナー2018」を開催した。森貴久・脳卒中センター長兼脳卒中診療科部長の主催で2000年から年1回実施。近隣の医療機関を含め、多職種が各々の経験や取り組みを発表することで、地域全体の脳卒中診療の底上げを目的としている。今回、一般演題(いずれも口頭発表)数は71に上り、最後にパネルディスカッションも行った。
無事に開催することでき参加者に謝意を表す森センター長
一般演題は19のカテゴリーを設けた。湘南鎌倉病院は計17演題を発表。演者の職種も脳卒中センターに所属する医師や看護師、事務職をはじめ、他部署の臨床検査技師、診療放射線技師、言語聴覚士、管理栄養士、臨床工学技士、MSW(医療ソーシャルワーカー)、医事課職員と多岐にわたり、それぞれの立場で診療から病院経営と多様なテーマで発表した。
森センター長も「急性期病院の診療報告」というカテゴリーで「2017年脳卒中診療のまとめ」と題し口演。同院が救命救急センターやDPC(診断群分類別包括評価)特定病院群に指定されていることなど簡単に紹介した後、脳卒中診療科を中心に昨年の実績を示し、全診療数1151人のうち脳卒中入院患者さんは598人、平均在院日数は5.5日などだったことを報告した。
急きょ通路に席を設けるなど“満員御礼”
森センター長はパネルディスカッション「Thrombectomy時代の緊急Stroke Imaging ; 何を撮影していますか?」で司会を務めた。
Thrombectomyとはカテーテルで脳血管内の血栓を摘出する治療法。ただし、内頚(ないけい)動脈または中大脳動脈の閉塞などで実施できるケースは限られている。
森センター長は「急性期の脳卒中でThrombectomyは合言葉のように使われる最前線の治療です。広く知っていただきたいと考え立案しました」とパネルディスカッションの企画趣旨を説明。同治療を行うためにポイントとなる画像撮影について、8人のパネリストが議論を交わした。閉会後、会場を替え懇親会も開催。情報交換に努めるなど交流を図った。