2018年(平成30年)9月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1150 三面
徳洲会救急部会薬剤部
感染症の基本共有
救急・集中治療
初の薬剤師研究会
インターネットを介した講義(湘南鎌倉病院の様子)
徳洲会救急部会薬剤部は7月23日、救急・集中治療薬剤師研究会を初開催した。同研究会はグループ病院の薬剤師が連携を強め切磋琢磨(せっさたくま)し、救急・集中治療の現場で薬学的介入を積極的に行えるようになるのが目的。
発起人である徳洲会救急部会副部会長の大森俊和・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)薬剤師は「医師や看護師のマンパワー不足が課題に挙がるなか、薬剤師が活躍する場が増えています。求められる役割だけでなく、より専門性を発揮し患者さんに貢献していきたい」と意気込む。
同研究会では勉強会を月に1回のペースで実施。感染症、循環器、腎臓などをテーマにそれぞれ認定薬剤師がインターネットを介し講義。また、今後は同研究会の世話人を中心に、若手薬剤師の疑問点に応えるため、相談窓口を設置する予定。さらに、各疾病領域で薬学的介入を行うための手順や注意点などを記したグループ内共通ツールの作成も視野に入れている。「本会を発展させることで、薬剤に関するデータやツールをまとめ、患者さんやチーム医療に貢献できるようにしていきます」(大森薬剤師)。
今回の勉強会には20病院から約70人が参加。神戸徳洲会病院の大島良康・薬局主任(感染制御認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師)が「感染症診療のお約束」をテーマに講義した。講義の目標は感染症診療の原則を理解し、抗菌剤の選択プロセスを考えられるようになることだ。大島主任は症例をベースに患者背景の考え方、感染臓器や感染経路、起因菌の特定方法などを解説し、最後に「薬剤師による感染症領域の治療介入が患者さんの救命率の向上に貢献できると信じています」と結んだ。
大島主任は同研究会の世話人のひとり。講義終了後、「この研究会で、基礎から体系的に勉強できるシステムができたらいいと思います。そしてこの研究会で得たものを少しでも実際の現場で実践していただき、ひとりでも多くの患者さんの治療結果に貢献できればと思います。薬剤師が救急・集中治療の現場で活躍できるように、グループ一丸となり研鑽(けんさん)していきたいです」と意気込みを語った。