徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)9月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1150 三面

湘南鎌倉総合病院
早期に適切な治療へ
原因菌を迅速に特定

質量分析による同定装置導入

MALDIバイオタイパー。本体(右)での検出結果から疑わしい原因菌がモニターに MALDIバイオタイパー。本体(右)での検出結果から疑わしい原因菌がモニターに

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は新たに質量分析装置「MALDIバイオタイパー」を導入した。微生物を特定するまでの時間を短縮し、抗菌薬の適正使用を早期に開始することで感染症の治療期間を短くするのが狙い。平均在院日数の短縮など病院全体への効果や、検査コスト低減など経済効果も期待している。

同装置は微生物の種類などを見極める装置。患者さんの痰(たん)や血液、尿などから採取した微生物を専用のプレートに塗布し、マトリックスという試薬で包み込む。乾燥させた後、プレートを装置下部に入れ特殊な波長のレーザーを照射すると、微生物を構成するタンパク質やペプチド(アミノ酸の化合物)などがイオン化により分離、高真空の装置内を浮遊する。やがて装置上部の検出器に到達すると、イオン強度や質量電荷比を測定、予想され得る菌種を表示する仕組みだ。コロニー(菌の塊)から数分で微生物を特定できるという。

従来は微生物が保有する酵素や糖分解能などの性状を検査することで特定する「生化学分析」を用いてきたが、特定までに平均1~2日、菌の種類によっては5~7日間程度を要した。

同院の小林修三・院長代行や感染制御医師の佐藤守彦・感染症対策室医長らが早くから導入を検討。同装置の導入で早期診断・早期治療が実現した。小林・院長代行は「救急・重症患者さんが多いと感染症との闘いになります。新たな装置によって患者さんにより良い医療が提供できます」と期待を込める。小野祐太郎・検査部副主任(臨床検査技師)も「感染症の早期治療は患者さんの身体的負担軽減につながります」。同装置は徳洲会グループ病院に順次導入する予定だ。

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